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2020

統計リテラシー

コロナ時代のメディアリテラシー

最近の報道ではコロナ対策についての主張が二極化しています.以前から言われていた,コロナなんてただの風邪という意見と,現状の危機を認識しPCR検査を積極的に実施して,感染者を炙り出すことで,部分的にでもコミュニティをロックアウトせよという意見です.それに誘導されてでしょうか,私たちの間にもある意味対立が生じてしまっているのは残念なことです.二週間後には日本はどこどこの国のようになる・・・という従来からのマスコミの基調に乗せられている人々もいる一方で,渋谷ではクラスターフェスとかいうノーマスク,ノー自粛を標榜する団体の催しが開催されたりしています.そもそも,医療や政治あるいは経済の観点だけから最適...
JMP

また抗体検査の話

一段と世の中が騒がしくなってきましたね.そんな中で菅,今日もブログだけは平常運転でいってみたいと思います.そうはいっても,特に書くこともないので,先週に引き続き,時事ネタを強引にJMPと紐付けてるという恒例のチャレンジをしてみます.先週は,横須賀市のコロナ抗体検査の結果の解釈に,統計的でもないのに「統計的に」という枕詞をつけるなと文句を言いました.そもそも「統計的に」という言葉をつける言説には,騙されるなという警告の意味があると解釈しています.さて,最近は,様々な自治体で同じ試みが実施されているようです.数日前のニュースでは宇都宮市でも無症状者を対象に抗体検査を実施したようです. ...
JMP

統計リテラシーと抗体検査

今日読んだニュースによれば(今日のニュースではありませんけど),インテルが7nm半導体の技術開発が予定より6カ月遅れていることを明らかにしたことで,株価が1割近く下がりました.Mac搭載のCPUとして毎日お世話になっていますけど,つい先日もAppleがCPUをインテル製から内製へと移行していく方針が発表されたばかりです.自社の製品開発のロードマップを他社の開発の遅れに妨げられないようにすることが目的と言われています.おそらく,インテルも今後は外部への生産委託を拡大する方向へ舵を取っていくことになると思いますが,同じ業界に長いこといて,かつての同僚のアメリカ人なども働いているので他人事のようには...
JMP

K値について思うこと

一昨日に開催されたJMPの製薬業界向けWebセミナー「非臨床研究者のための統計解析入門」を聴講しました.私にとって馴染みの薄い分野なので,あまり使わない機能を紹介して頂くのは勉強になります.そもそも非臨床研究というのが聞き慣れない言葉だったのですが,話を聞くと動物などを使った医薬品の薬効や安全性の検証試験である前臨床試験のことなんですね.最近では非臨床試験と呼ばれていることは知りませんでした.非というのは良い響きではないのですが,おそらく英語のNon-clinicalを直訳したのでしょうか.工業分野の実験計画とは大きく異なって,試験の手順や分析方法,信頼性検証に至るまでがガイドラインでガチガ...
JMP

Discovery Summit Online 2020

枝雀の落語「夏の医者」の枕に,そもそも病気というのは昔は一つの病気だったと,それでは不便だからと,最初は上の病気,下の病気と別れて,医学の進歩とともにどんどん細分化して現在に至っている...というのがあります.分類は人を不幸にするということを『統計的問題解決入門』のコラムに書いた記憶があるのですが,まさにその通りのことが今回の騒動でも起こったのではないかと.少し前まではコロナウィルスを詳細に区別する技術はありませんでしたから,少なくとも欧米よりは被害が軽微な日本では,今年の風邪はタチが悪いと巷で言われる程度だったのかもしれません.そうであればこれほどの大騒ぎにはならなかったかもしれません.も...
覚え書き

Bike NewYorkの思い出

iPad用に新しいキーボードを購入しました.その試しタイピングを兼ねて,本日はダラダラと意味のないことを思いつくままに書きます.二冊の本はこのキーボードで書きました.有線のUSB TypeA接続なので無理にiPadに使うのも使い回しが不便で、専用のやつを買ったのですが,キーピッチが狭くてさっきからタイプミスしまくりです. さて、「今週こそはコロナから離れて別の話題を」と毎週のように思うのですが,残念ながらなかなか吹っ切れない状況です.むしろ,スルーするのが不自然というようにもなってきました.日本どころか世界規模でも,まだまだ終息には程遠いといった感じです.比較するようなものではないです...
JMP

ポストコロナの適者生存

5月,6月と開催されていたJMP On Airも今週で終了となりました.コロナ期間中は自宅で楽しみながら勉強させていただきました.あらためてSAS社の皆様にお礼をしたいと思います.第一回の開催ではまだオンライン視聴に慣れていなかったということもあって,少しドキドキしてスタートを待ったのは良い思い出です.1時間もヘッドセットをつけているのは辛いので,スピーカーから音を出しても邪魔にならない場所に移動して視聴していたのですが,当初は自宅の通信状態が安定せず,時々音声が途切れがちになったりして苦労しました.自宅のWifiは5GHzと2.4GHzを使い分けているのですが,調べるとその切り替えが物理的...
JMPではじめるデータサイエンス

検査の損益に付いて考える

先々週のブログで,PCR検査は検査というよりも,仮説検定と同じテストであるとみなすべきと書きました.もちろん,同じテストだと言っても,確率に基づいた判定ではないという点では,仮説検定とは厳密には違います.ではありますが,試行の結果(イベント)を真実と判断結果の四分割表に割り当てる手法であると緩く考えるとPCR検査の実態をより深く理解することができます.4つの領域は「あたり」と「はずれ」が半々ですが,このうちの2つの「はずれ」が意思決定手法としての評価に特に重要です.仮説検定では,それらを第一種の過誤と第二種の過誤と呼ぶわけですが,この命名では両者の違いがわかりにくいと思いませんか.英語でも,...
JMP

練習31について

リモートワーク中に拙著で勉強して頂いた方が多くいらしたようで,ありがたいことです.最初にリリースしたのが『統計的問題解決入門』だったので,こちらを先に購入してくださった方も多いのようなのですが,JMPの基本操作を勉強するには少し不親切だったかもしれません.もう一度書きますが『統計的問題解決入門』は実験計画で,『データサイエンス』はデータ分析を学ぶのを目的としています.ですので,JMP初心者が最初にお読み頂くならば『データサイエンス』をお勧めします.実験計画,特にJMPでは標準的なカスタム計画に興味がある,あるいは実務で使いたいという方は『統計的問題解決入門』をどうぞ.書名が親切でなかったために...
JMP

検査とテスト

今日は一日,統計リテラシーのオンライン用スライドを作成していました.オンライン向けにはアニメーションを使うのを避けたり,フォントサイズを小さめにしたりする以外にも,話の間をとるという工夫が必要です.セミナーのコンテンツは使い回す人も多いのですが,私の場合,基本的にスライドはその度に組み直します.今度はどんな相手にどんな話をしようか考えるのが楽しみの一つでもありますし,そもそも同じスライドを使っていると,自分が飽きてしまうのです.今回は,オンライン版として作り直すにあたり,せっかくなので最近の関心事からネタを拾って,コンテンツを更新しています.正直に申し上げると,コロナのことにも飽きてきた(こ...
覚え書き

とあるJMPユーザーのニューノーマル

日々の東京の感染者数に一喜一憂している昨今ですが,しばらくはこの調子が続くのでしょうね.(第一波に限ってではありますが)少くとも,西浦先生が指摘されていた「対策なければ40万人死亡」という事態は回避できたようです.今にして思えば,この先生の発言もメディアの不完全な報道で批判を受けました.この推定は「対策を取らなければ」という前提のもとでの試算なのです.先生もこの発言の後に「40万人が亡くなるとは想定していない。この感染症は人との接触を大幅に削減すれば流行を止めることができる」と言われていたのですが,メディアによっては,その部分をうまく伝えていませんでした.例えば,毎日新聞は「対策なければ重篤8...
JMP

『JMPではじめる統計的問題解決入門』第三刷の修正点など

全国的に緊急事態宣言が解除になる見込みですが,東京の感染者が14人ということなのでどうなるでしょうか.何れにしても,徐々に日常が(それがニューノーマルと呼ばれるものであっても)戻ってくるのは安心できますね.Amazonの物流も徐々に通常に戻っているようで,生活必需品以外のものも遅延なく買えるようになってきました.『JMPではじめる統計的問題解決入門』も,この一月ほどAmazonで在庫切れになっていたのですが,ようやく購入できるようになりました.少し前にもお知らせしたように,ちょうど第三刷がリリースされたタイミングでしたので,それも関係あったのかもしれません. 今回の第三刷でもいくつかの修正を入...