選択の科学
表紙に写っている著者の写真に惹かれるものがあって手にとったのが,シーナ・アイエンガー(2014),『選択の科学』 櫻井祐子訳,文藝春秋です.自信に満ちたその姿はタイトルの「選択の科学」のなせる技なのかもしれません.読んでみて驚いたのは著者のハンディキャップのことばかりでなく,あの有名なジャムの実験の研究者であったことです. 書評ではあまりネタバレしないように心がけていますが,この実験は有名なので簡単にご説明しておきます.ジャムの試食販売で26種類を並べた際には試食客のうち購入したのはたった3パーセントだったものの,6種類しか並べなかった場合は集客は少なかったにもかかわらず30パーセントの客が購...