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統計リテラシー

統計リテラシー

プラセボで十分なんじゃない?

統計本の進捗は,校正も済んで「はじめに」を書き上げたところです.あとは再度校正をしつつ索引を作っていくくらいかな.今回はビジネス書でよく見かけるアンダーラインを入れてみようかなとも思ってます.時間があればですけど.おそらく10月の初めには書店に並ぶと思います.よろしければ手に取ってみてください.初めて統計学を学ぶ人を対象にしているので,JMPユーザーにどこまでお役に立てるかは不明ですが. 当初はもっと現代的に書こうとも思ってました.例えば,通常の教科書で定義されている標本分散には触れず,不偏分散として標本分散を定義したり,推定の枠組みの中で仮説検定を説明したり.このアプローチの方が初心...
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事件に思うこと

東京の渋谷というか,赤坂と言った方が正確だけど,高橋是清翁記念公園というのがあります.あんな都会に自然を感じられる場所があるのが意外ですけど,近くの会社に用事があるときは良く訪れていました.気分転換にぴったりな好きな公園です.この公園は,名前からわかるように高橋是清の屋敷の跡地に作られました.高橋是清は226事件で青年将校の凶弾に倒れたことで有名です.そのときは大蔵大臣だったと思うけど,総理大臣の経験者でもあります. まあ,亡くなったのが80歳過ぎてだからね.老人だからいいというわけではないけど,もちろん.立派な業績を残した人の終わり方としては,まさに無念だったろう.高橋是清の残した言...
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統計リテラシーのセミナー

自粛してたわけじゃないんですけど、連休中は結局どこにも行かずじまいでした。この時期になると、新人研修が始まって、私もいろいろとお手伝いすることがあり、その準備に追われていました。その中でも一番大変なのが「統計リテラシー」のセミナーでしょうか。ワークショップ形式でやるので、まる1日かかります。グループ討議を挟むとはいえ、一日中話し続けるという落語家のような毎日なんです。 とはいえ、私にとって得るものも大きいので、楽しみなセミナーです。今書いている本の次は、このセミナーの内容を執筆しようかなどとも考えてます。何しろ、ネタは尽きぬほどあるので。ネタが豊富なので、内容は毎年少しづつ変えています...
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コロナとシャトルラン

コロナどころではない世の中になってきました...先週もこんなこと書いたけど,外国の戦争は一時で済む(希望的観測)かもしれないけど,コロナはなにしろ2年以上に渡って社会は大きな影響を受けてきたから,それは今後も尾を引くだろうな. コロナも戦争も,不思議なほど人々の対立を生んだという点で似ています.同じ事実を見ていても,つまり同じデータのもとでどうして正反対の結論が引き出されるのか.その一つの理由には,データに基づいて判断するということの質にあります. データに基づくというのは,データを使ってということではなく,データに対峙するということなのです.ですから,一見データに基づいていても...
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陰謀論と統計リテラシー

SASがどうとかという記事を目にして,あのSASかと思ったら,特殊空挺部隊(SAS:Special Air Service)というイギリス陸軍の特殊部隊の方でした.最近は,SASだけでなくスペツナズとかも目にするようになって,昔熱中したBattle FIeldというFPSゲームを思い出します.あのゲームでは,シナリオによってアメリカ陸軍のSeals対中国の人員解放軍や,SAS対スペツナズが戦闘したりする設定でした.現在も続編が出ていてつい最近6代目がリリースされたばかりです. このような世相を反映して,最近は陰謀論も目にすることが多くなりました.Wikiでは「他に妥当な説明があるにもか...
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統計リテラシーと恐竜

ようやくオミクロン株の流行がピークアウトしたようです.ここにきてますます明確になったのは,シミュレーションによる予測と称する類の研究が,単なる外挿に過ぎないということ.一月後に何万人の感染者が出る,などのような研究結果はマスコミに利用されることを意識して発表して欲しいものです.そして,外れたのならなぜ外れたのかを研究して,予測者の責任として次の予測に反映させてください.このことは予測に携わるものとしての自戒も込めています. この点でも,AIによる予測には難しいところがあります.アルゴリズムにさも人格を与えることで,予測が外れてもAIをスケープゴートにすることが容易です.なぜ予測が外れた...
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なぜ人々は分断するのか

コロナのパンデミックが私たちにもたらした悲劇は,多くの方が亡くなられていると言うことももちろんありますけど,それだけでなく,人々の分断を促進してしまったことにもあります.例えば,ワクチンと反ワクチンがそうですね.マスクと反マスクなんてのもあるかな.コロナはただの風邪と言う意見にも人々の分断があります. どちらが正しいのかはここでは議論しませんが,これらの分断には人間の本質があります.Gaius Julius Caesar は紀元前100年の生まれですが,この当時にこんなことを言ってます. Men willingly believe what they wish to be tru...
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コロナと統計リテラシー

Appleの2021年12月25日締めの2022年会計年度第1四半期の業績が発表されました.売り上げが1239億ドル(約14兆3000億円)と前年同期比で11%も増加して過去最高です.古くからのAppleユーザーとしては嬉しい気もしますが,この中で日本市場だけ落ち込んでるんです. そもそもアメリカに比べると5分の1以下のマーケットだったのですが,それでも,1年前までは中国と日本を除いたアジア全体のマーケットと互角でした.それが,今回の発表では日本市場の方が3割ほど小さくなってます.Apple製品は高いのは事実なので,それを買うだけの余裕が亡くなってきたのでしょうか. 他の...
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今年もよろしくお願いします

最近ブログに時間が取れなくなってきたんですけど,週一の更新はキープしたいなと思ってます.今年は今まで以上に「統計リテラシー」ねたを書いていこうというのがニューイヤーレゾリューションです.できれば,kindleで出版してみたいと考えてます.一般の紙の書籍の魅力も価値も軽んじてはいませんが,内容がすぐに古くなるコンテンツは向かないと判断しています. 統計リテラシーのねたは,ほとんど毎日のようにあるのでコンテンツには困りません.例えば,少し古いですが,米感染者が累計5000万人突破、英で初のオミクロン死者 という記事を読めば,いかに世の中には不完全な情報がもっともらしく配信されているのかわか...
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分布形状の裏を探る

任天堂の2022年3月期第二四半期の決算説明会の資料に面白いグラフが載ってます.このPDF資料の8ページ目を見てください.このヒストグラムは「年間プレイユーザー」の年齢構成を示しています.「年間プレイユーザー」とは,任天堂のアカウントのうち,会計年度の1年間に,Switchで何らかのゲームを起動した人のことと定義されてます. このヒストグラムを見ると明らかに異常がありますね.21歳のビンだけ突出してます.詳細は良く分かりませんが,アカウント作成時に入力する生年月日から20歳を超えて21歳以下の人を集計しているのでしょうか.このグラフネット界隈で話題になったので,ご存じの方も多いと思いま...
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データ捏造を見破る

イベルメクチンのことを少し前に書いたけど,ここにきて衝撃的なニュースが.なんと,新型コロナ感染症に対するイベルメクチンの薬効をサポートする重要論文が取り下げられたのです.既に,薬効を否定する論文も発表されています.こうなると北里研究所とMeiji Seikaファルマが共同でイベルメクチンを用いた新型コロナ治療薬を創製するなんてきいてたけど,その影響は大きそうですね. この記事を読むと,その理由がデータの信頼性に問題ありということで,しかも一部には捏造も含まれているとか.今まで論文はちゃんとは読んでいなかったので,これを機会に読んでみました.それというのも,このネタは統計リテラシーのセミ...
JMPではじめる統計的問題解決入門

統計リテラシーのネタに悩む

JMP16の新機能を少しずつ勉強してるけど,JMP15から予想以上に変わったことが多くて,戸惑ってます.『統計的問題解決入門』のJMP16対応をこのブログで書いていこうと思ってるけど,かなり大変なことになりそう.今の自分の分析のやり方は当時と結構違っているので,これもアップデートしていきたいと考えてます.それにしても,この本を書いた当時の自分はかなり保守的ですね.今はもっと乱暴というか大胆というか.これが良いことなのかはわかりませんけど.いずれにしても,ここしばらくは余裕がないので,新たに書籍を購入してくださった方も含め,今しばらくJMP16対応はお待ちいただければありがたいです. 特...