過去の投稿に画像リンク切れ多数ありご迷惑おかけしています.

書評

覚え書き

久々に本を読む

このところ本を読む時間が取れないでいるですが,ちょうど今書いている本で統計学の初歩を書く必要が出てきたので,昨今はどういう切り口が好まれるのか参考にしようと,「高橋洋一(2018)『統計学超入門』,あさ出版」を読んでみました.統計学の初歩の初歩をこれ以上は噛み砕けないほどに懇切丁寧に解説したというだけあって,確かに易しく書かれてい流ようです.数式をあまり使わずに書かれた,読めばなんとなくわかった気にさせてくれる本は「ごまかし」だと言い切っているところに好感を持って読み始めたのですが... 数式を意識して避けているので,確かにズバリ数式は出てこないのですが,この手の本によくある言葉で数式...
覚え書き

『データ分析の力』

先日,Amazonの本書のページを見た際に「この商品を買った人はこんな商品も買っています」というところを興味深く拝見しました.どのような人が本書を読んでくださっているのかのイメージが掴めます.JMP関連の本がほとんどという中で目についたのが伊藤公一朗(2017)『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』光文社新書です.ビッグデータのデータ分析という多くの方が興味を持つ分野の本であり,新書なので気軽に買える値段ということもあって多くの方々に読まれているようです.レビューも高評価なので,私も読んでみました. 著者によれば,因果関係の見極め方を計量経済学の観点から解説した本とのことですが,データ分析...
覚え書き

DOEは斜めから学べ

誰か訪れる人がいるのだろうかと思って始めたこのブログですが,オーム社からサポートファイルをダウンロードされた方もいらっしゃるようで,少なくとも書籍を読んでくださった人がURLを拾いに来てくださっているようです.ご面倒をおかけいたしまして申し訳ございませんが,本当にありがたいことです.書籍にアドレスを直接書かなかったのは変更等に柔軟に対応できるからです.実際に,当初はGoogle Driveに置く予定にしていましたけれど,会社からではアクセスできないケースもあったりしたので,急遽オーム社に置き場所を作ってもらいました. URLを拾うついでにそれ以外のブログ記事を読まれる方もいらっしゃかもしれま...
覚え書き

書店にて

サポートファイルのダウンロードのご案内が流れてしまわないようにブログの更新は控えていました.ここにもう一度書いておきます.サポートファイルとMCDAアドインのダウンロードについては「ファイル・ダウンロード」のカテゴリーの記事を御覧ください.さて,先日のことですが,三井正(2017)『JMPではじめる 統計的問題解決入門』オーム社が書店にあるのを見かけました.印刷所,運送会社,書籍卸,そして書店の皆様,多くの人の手でこの棚に置かれていることを素直にありがたいと思いました. 統計ソフトのコーナーにはSPSSやRあるいはEXCELの本などが並んでいて,比較的大きなお店なのですが,その中でJMPの...
覚え書き

あの人の統計リテラシーはいかほどのものなのか?

このブログのカテゴリーに「Stat Spotting」というのを設けてあるのですが,まだ一本も記事がないのでこのカテゴリについてちょっと書きます.と言っても,本日は池上彰,佐藤優(2016)『僕らが毎日やっている最強の読み方』東洋経済新報社</a>書籍のレビューのようになってしまいそうです. 「読み方」と題名にありますが,ここで公開されている手法・方法は特にユニークなものとも思えませんので,ハウツー本というよりは著者の知的活動の一端をファンに公開するといった類の本です.お二人とも新聞や雑誌,更には書籍等から大量の情報を仕入れていて,書籍の中ほどにそれらのリストが綴じ込んであります...
覚え書き

ソフィーの選択(「選択の科学」の続き)

原稿でカットした内容を次回紹介すると書いておきながら,話を引き延ばして申し訳ないのですが,今回は「選択の科学」についての続きにします.早く書いておかないと忘れてしまうということがその理由です.おそらく現時点でこのブログを見ている人はいないはずですが,書籍がリリースされればこのブログに来てくださる方もいらっしゃるでしょう.その方々に過去に遡っていただくのも申し訳ないので「JMPではじめる統計的問題解決」の内容に関することは本書リリース後に書き始めることにしました. というわけで「選択の科学」です.自宅にはTVがないので知りませんでしたが,NHKで取り上げられて人気があったそうです.TVで紹介さ...
覚え書き

選択の科学

表紙に写っている著者の写真に惹かれるものがあって手にとったのが,シーナ・アイエンガー(2014),『選択の科学』 櫻井祐子訳,文藝春秋です.自信に満ちたその姿はタイトルの「選択の科学」のなせる技なのかもしれません.読んでみて驚いたのは著者のハンディキャップのことばかりでなく,あの有名なジャムの実験の研究者であったことです. 書評ではあまりネタバレしないように心がけていますが,この実験は有名なので簡単にご説明しておきます.ジャムの試食販売で26種類を並べた際には試食客のうち購入したのはたった3パーセントだったものの,6種類しか並べなかった場合は集客は少なかったにもかかわらず30パーセントの客が...
覚え書き

大学生ミライの因果関係の探求

このブログではときどきは書評も書いていこうかと思っています.本日はこの本. 小塩真司(2016)「大学生ミライの因果関係の探求」ちとせプレス 早稲田大学文学学術院の小塩先生が書かれた統計学の参考書で,「ストーリーでわかる心理統計」と表紙にかかれている通り心理学を学ぶ大学生を主人公にした物語です.ストーリでわかるということに興味を惹かれたので読んでみました.ネタバレはしたくないので詳しくは書きませんが,ミステリーっぽいお話しが織り込まれていて,確かにストーリー仕立てにはなっています.前作もあるようですが,そちらは読んではいませんが,おそらく好評だったので今回第二作目となったのでしょう. 一つ...