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2018-06

覚え書き

ノンパラメトリック最適化

先週の続きです.トポロジー最適化をJMPで実施可能かという質問でした.一つの答えは寸法最適化に持ち込めばシンプルな事例では同等の最適化は可能,ということになります.寸法最適化にどうやって持ち込むかというとトポロジーを因子に持ち込むのです.即ち,考えられるトポロジーの候補を質的水準に設定します.例えば,二次元平面のレイアウトであれば,穴が一つ空いているレイアウトか二つ空いているレイアウトではトポロジーが異なるのでそれぞれを異なる水準として設定します.最適化することでどちらかのトポロジーが解として選択されるわけです.この手法には大きな問題があります.それぞれのトポロジーで,設定すべき設計因子が異な...
覚え書き

トポロジー最適化

質問を受けたので今日はその話をします.こういった最適化がJMPで出来ますか?という質問です.リンクを踏みたくないという方のためにどういうものか説明しますと,CAEで実現した最低限の体積で最大の強度が出るような構造を持った機械部品で有機的なメッシュで構成されている,と言えばお分かりでしょうか.この手の工業製品を最近よく見かけるようになりました.これは構造最適化手法の一つのトポロジー最適化によるものです.原理は単純で基本形状からスタートしてそれにボクセルを付け加えたり削除したりしてその度に特性(重量と強度)を計算します.材料の分布を最適化すると考えるとわかりやすいかもしれません.当然ながら有限要...
覚え書き

シンギュラリティなるもの

今の時期はいろいろな会社のカンファレンスが目白押しで,先日もIBMの統合イベントに参加してきました.去年まではクラウド系のイベントとWatson Summitという別のイベントを分散して開催していました.クラウドあってのWatsonで参加者も被るでしょうから自然な流れとはいえます.私自身はクラウドでシステムを構築するような仕事はしませんが,コンサルテーションでときどきこういった知識が必要になることもあります.前日にはデベロッパー向けのイベントも開催されて,私もその端くれとして参加しました.IBMはデベロッパーを育て,スタートアップ企業を支援する懐の深い会社と毎度のように感心します.今年はこれら...
覚え書き

なぜ系統的レビューに仮説検定は向かないのか?

先週の続きです.といっても,あの報告書には例の系統的レビューの詳細には触れられていないことが判明したので,続きは書けません.一般的に仮説検定の結果を系統的レビューに含めるのはやってはいけないとされています.もしも,ナラティブな研究をレビューしたのであったとしても,せいぜい表として提示するくらいにとどめておくべきで,それらを棒グラフ(即ち,量的な比例尺度の数値としての視覚化)にするのはやりすぎのような気もします.あの報告書からはそのへんがどうなのかは読めません.厚生労働省が背後についている研究会ですから,統計に詳しくない人々を黙らさせるために,あのような権威に裏打ちされたデータを提示したのかもし...
覚え書き

サンプルサイズ1で予測する先が読めていない一部の人々

先日,何かの拍子に「Stat Spotting」を検索したところ,日本語ページではここがトップに上がってきて驚愕しました.ジョエル・ベスト(2011)『あやしい統計フィールドガイド』,白楊社では,スタット・スポッティングとカタカナ表記であることが,本家を差し置いてしまった要因と思われますが,そもそも日本語では馴染みがない言葉だからということも理由の一つにあるのでしょう.このブログでもカテゴリーに登録したもののなかなか記事が書けないStat Spottingですが,実はネタはゴロゴロしてはいるのですが,それらを題材にして記事を書くのはなかなか難しい面があります.それはなぜかというと,基本的にクリ...