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覚え書き

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ソクラテスと大燈国師

このブログのタイトルは「統計的問題解決研究所」です.来月出版予定の「JMPではじめる統計的問題解決入門」のサポートブログですが,実は最近まで書籍名を勘違いしていました.「JMPではじめる統計的問題解決」とばかり思い込んで,後半の執筆では入門書ということを忘れて飛ばしすぎてしまったかもしれません.その意味でも,できる限りこのブログで入門者の皆さんのサポートをしていこうと思っています. このブログのタイトルの下の説明文も修正しなければなりません.そういえば,このブログのデザインはいささか寂しかったのでイラストレーターの原山みりんさんにお願いしてロゴをつくってもらいました.原山さんには書籍の表紙や...
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ソフィーの選択(「選択の科学」の続き)

原稿でカットした内容を次回紹介すると書いておきながら,話を引き延ばして申し訳ないのですが,今回は「選択の科学」についての続きにします.早く書いておかないと忘れてしまうということがその理由です.おそらく現時点でこのブログを見ている人はいないはずですが,書籍がリリースされればこのブログに来てくださる方もいらっしゃるでしょう.その方々に過去に遡っていただくのも申し訳ないので「JMPではじめる統計的問題解決」の内容に関することは本書リリース後に書き始めることにしました. というわけで「選択の科学」です.自宅にはTVがないので知りませんでしたが,NHKで取り上げられて人気があったそうです.TVで紹介さ...
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ページ数の制限に苦しむ

原稿を書き終えてから気になっていた箇所が色々とあって,それらに手を入れたりしています.書籍という媒体にはページ数という制限があることを今回今更ながらに思い知りました.どこで見切りをつけるのかが悩みどころです.「JMPではじめる統計的問題解決入門」は300ページを少し超えるくらいになりそうですが,栗原伸一(2011),『入門統計学』,オーム社が319ページですからほぼ同じくらいのページ数なので類書の中では標準というところでしょうか. 書籍にはページ数という制限があって,その中で厚い本薄い本いろいろあるわけですが,言語や国によっての違いもあるようです.アメリカに比べて日本の本は比較的薄いように思...
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JMP操作の選択肢

続きは来週にでもと書いたきり,なかなか読書に時間が取れていません.週一度はこのブログは更新しようと思ってはいるものの,何を書こうかと考えながらタイプしています.毎日更新しているブロガーならばいざ知らず,毎週更新はなかなか難しいですね. 前回の続きから話を始めると,選択肢が多いと人は混乱してその行動にフラストレーションを感じるようになるということでした.その一方で,多すぎる選択肢は必ずしも悪いものではないと,自分の体験に基づいた思いもあります. アメリカのスーパーマーケットに初めて入ったときの驚きは今でも忘れられません.物資の豊富さだけでなく,商品の一つ一つに圧倒されました.例えば,ナス(eg...
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選択の科学

表紙に写っている著者の写真に惹かれるものがあって手にとったのが,シーナ・アイエンガー(2014),『選択の科学』 櫻井祐子訳,文藝春秋です.自信に満ちたその姿はタイトルの「選択の科学」のなせる技なのかもしれません.読んでみて驚いたのは著者のハンディキャップのことばかりでなく,あの有名なジャムの実験の研究者であったことです. 書評ではあまりネタバレしないように心がけていますが,この実験は有名なので簡単にご説明しておきます.ジャムの試食販売で26種類を並べた際には試食客のうち購入したのはたった3パーセントだったものの,6種類しか並べなかった場合は集客は少なかったにもかかわらず30パーセントの客が...
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再校中の悩み事など

「JMPではじめる統計的問題解決」は8月の出版を目指して再校に入っていますが,ここにきて悩むこと多々あります.例えば,人名の敬称について.本書では外国人は敬称なしにした一方で,日本人には先生をつけて呼んでいます.これにはいろいろな意見があると思います.学術論文では日本人でも呼び捨てにしたりあるいはローマ字表記にしたりすることが多いのですが.本書のような「ですます体」で書かれた一般書では通常は敬称をつける日本人の名前を呼び捨てにするのは著者,読者双方に引っかかるものがあるのではないでしょうか. 外人にもDr.やMr.をつければ公平かもしれませんが,エジソンをMr.エジソンというのは変です.存命...
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大学生ミライの因果関係の探求

このブログではときどきは書評も書いていこうかと思っています.本日はこの本. 小塩真司(2016)「大学生ミライの因果関係の探求」ちとせプレス 早稲田大学文学学術院の小塩先生が書かれた統計学の参考書で,「ストーリーでわかる心理統計」と表紙にかかれている通り心理学を学ぶ大学生を主人公にした物語です.ストーリでわかるということに興味を惹かれたので読んでみました.ネタバレはしたくないので詳しくは書きませんが,ミステリーっぽいお話しが織り込まれていて,確かにストーリー仕立てにはなっています.前作もあるようですが,そちらは読んではいませんが,おそらく好評だったので今回第二作目となったのでしょう. 一つ...
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あらためてJMPについて

JMP(ジャンプと読みます)はSAS Institute Inc. が1989年にリリースした統計解析のためのソフトウェアです.SAS社はビジネスアナリティクスの分野で広く使われているSASという社名と同じ名のソフトウェアを開発しています.SASはアポロ計画で使われたことで有名になったように,当時は汎用コンピュータで動くようなソフトであり,一連のEIP(エンタープライズ・インテリジェンス・プラットフォーム)として構築されるSASシステムとも呼ばれる大掛かりなものです. これに対し,JMPは誰もが手軽にデータを統計解析できることを目的として開発されました.対話的・直感的な操作によってデータから...
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統計学の用語はなんか変?

その分野を新たに学ぼうとするものにとって用語は大変重要です.ほとんどの学問が西洋から入ってきた日本では,用語を訳するのに先人は大変な苦労をしたものです.オランダ語で書かれた解剖学書の「ターヘル・アナトミア」を翻訳した前野良沢・杉田玄白の悪戦苦闘は有名ですね.江戸末期から明治にかけての学問の世界では,自らの勉強だけでなく,その学問を後の世のものに伝えるために用語を作る必要がありました.この当時の先輩たちの努力をわたしたちは受け継いでいるのです.物理や自然といった抽象的な言葉では漢字固有の造語能力が活躍したのは言うまでもありませんが,個々の学問分野に固有な用語にも先人の工夫を感じることが多々ありま...
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人材育成の三つの手法

社内での教育というと既に決められたカリキュラムがあって,全員が同じ内容を受講するような形態が多いと思います.その他,セミナーや事例相談の要求にはオンデマンドで都度対応しいますが,やはり効率的ではないように思います.それは対象者(以下クライアントと呼びます)のやる気と知識・能力に応じた木目細やかなサポートができていなかったというわたし自身の反省でもあります. この図では,クライアントをやる気と知識・能力の二次元でマッピングし,それぞれの領域に適したサポート手法を示しています.ここでやる気というのは「明確な目標を持ちそれを達成したいと思う気概」のことです.また知識・能力はその「理解度レベル」を指...
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データサイエンスと人材育成

ようやく「JMPで始める統計的データ分析」を脱稿しました.これから書籍としての仮組みをして頂き,内容のチェックや図版のトレースに取りかかることになります.それまではまだ間がありますので,本書とも関係あることを書いていこうと思います. わたしは「データサイエンスの推進」を業務としていますが,本書はその際の教科書となることを意識して書きました.データサイエンスの定義にもいろいろありますが,データをサイエンスの枠組みで扱うための具体的な手法と捉えるのが理解しやすいと思います.この意味で,統計的問題解決はデータサイエンスに含まれていることになります.とはいえ,本書では意識してデータサイエンスという言...
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ブログにいらした皆様へ

『JMPではじめる統計的問題解決入門』のサポートブログです.訂正箇所やQ&Aなど,本書に関すること以外にもJMPについての情報を掲載しています.本書に対するご意見や質問だけでなく,統計的問題解決に関するご相談などございましたら,一番下にある「Contact to the author」でお気軽にご連絡下さい. 第二刷の修正箇所について 第1刷をお持ちの方はこちらをごらんください. サポートファイルのダウンロード 本書で使うサポートファイルはこちらから入手できます. MCDAアドインのダウンロード 本書にバンドルしたJMPアドインはこちらから入手できます. 免責事項な...