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再校中の悩み事など

覚え書き

「JMPではじめる統計的問題解決」は8月の出版を目指して再校に入っていますが,ここにきて悩むこと多々あります.例えば,人名の敬称について.本書では外国人は敬称なしにした一方で,日本人には先生をつけて呼んでいます.これにはいろいろな意見があると思います.学術論文では日本人でも呼び捨てにしたりあるいはローマ字表記にしたりすることが多いのですが.本書のような「ですます体」で書かれた一般書では通常は敬称をつける日本人の名前を呼び捨てにするのは著者,読者双方に引っかかるものがあるのではないでしょうか.

外人にもDr.やMr.をつければ公平かもしれませんが,エジソンをMr.エジソンというのは変です.存命の方だけに敬称をつけるという意見もありますが,そもそもJMPでは神であるJohn Sallを本書では尊敬を込めてあえて呼び捨てにしています.日本人か否か,存命中の人か否かというカテゴリーごとに決まりを作るしかないのかもしれませんが,日本人の場合でも,鈴木先生と呼んで溝呂木と呼び捨てには私にはできません.

歴史上の人物では日本語でも敬称はつけませんが,「あとがき」に出てくる日蓮は日蓮上人としました.もちろんわたしは信者というわけではないのですが,歴史上の人物として親しみを込めています.宗教関連の人物は呼称でそのニュアンスが異なってくるので注意が必要ですね.江戸時代後期の山本栄蔵を良寛と呼ぶか良寛さんと呼ぶか,さらには良寛和尚,良寛上人と呼ぶかで全て意味が違ってきます.やはり「あとがき」に出てくるソクラテスも心情的にはソクラテス先生なのですが,そう呼んでいるのを聞いたことはありません.4聖の一人として突き抜けた存在となっているのでしょうか.Wikiによれば,

敬称をつけずに呼び捨てにするのが、最上級の敬意を表す事例がある[1]。

と書かれているので少なくとも戦国時代の日本では「呼び捨て=無礼」と単純には言えないようで,それが現代の私たちの意識に残っているのかもしれません.

統計的問題解決研究所

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