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JMP操作の選択肢

覚え書き

続きは来週にでもと書いたきり,なかなか読書に時間が取れていません.週一度はこのブログは更新しようと思ってはいるものの,何を書こうかと考えながらタイプしています.毎日更新しているブロガーならばいざ知らず,毎週更新はなかなか難しいですね.
前回の続きから話を始めると,選択肢が多いと人は混乱してその行動にフラストレーションを感じるようになるということでした.その一方で,多すぎる選択肢は必ずしも悪いものではないと,自分の体験に基づいた思いもあります.

アメリカのスーパーマーケットに初めて入ったときの驚きは今でも忘れられません.物資の豊富さだけでなく,商品の一つ一つに圧倒されました.例えば,ナス(eggplant)の大きいことメロンの安いこと.「選択の科学」でも私と同じ経験,即ち,スーパーマーケットの品揃いの過剰性は心まで満たすことがあるという「ホワイト・ノイズ」について言及されています.人がコンフォタブルと感じる選択肢の数はその性質によって変わるというのがその答えです.そして重要と感じる選択肢がよく言われる7の法則(この本によれば7±2ということらしいです)ということなのです.

ここで話を変えてJMPの操作における選択肢を考えてみます.マジックナンバーの7を否定はしませんが,初心者のうちは7でも多すぎます.JMPの操作性が良いと言われている理由にその操作の柔軟性があげられています.しかしながら,同じ機能の実現に複数の操作が対応しているために,かえって(少なくとも初心者には)敷居が高くなっている,ということも事実です.

例えば,メニューバーが隠れているときにそれを表示する方法をいくつご存知でしょうか.他にもあるかもしれませんが,今思いつくのは1)Altキーを押す.2)下から二重線にマウスオーバーする.3)上からマウスを移動して二重線をクリックする.番外として4)カスタマイズの設定を常時表示にする.というのもあります.
これだけ重複した操作があると確かに覚えきれずに戸惑う人もいるでしょう.私がJMPを指導する際,最初のうちは一つのコマンドには一つの操作のみを覚えておけば良いと説明しているのはこれが理由です.別の操作方法はもちろん知っていても構いませんが,ある程度慣れてきてからで十分です.その上で幾つかの中から一つを選び今後自分はこの操作を使っていこうと決めた後は,他の操作など忘れてしまえば良いのです.(この話を書いていて,コルトレーンがマイルスに自分の持っているマウスピースの中でどれがいいか聞いてい欲しいと頼んだところ,「一つを除いて後は捨てろ」と言われたというエピソードを思い出しました.)

JMPの操作はカスタマイズに優れているので,このようにして自分なりの操作法を見つけていくのが面白いところです.このことはもちろん,GUI周りの単純な機能だけでなく,データ分析の本質的な機能であっても同じです.例えば,欠測データの検出にはいくつかの方法があります.
1)分析>スクリーニング>欠測値を調べる
2)テーブル>欠測値パターン表示
3)列>列ビューア
「欠測値を調べる」は質的変数に対応していませんが,逆に質的変数であれば,4)列>再コード化 も欠測値の検出に使えそうです.

更に,「欠測値を調べる」プラットフォームでは幾つかのコマンドが選択できますから,それこそ実行可能な選択肢はたくさんあります.それぞれの機能は厳密には同じものではないのですが,この状況ではやはり自分の得意技を決めておいたほうが良いでしょう.こうすることで,どのコマンドを使ってどこから手をつけようかというデータ分析の初期のフラストレーションを少しでも低減できます.自分なりの分析スタイルを構築することがJMPによる統計分析の楽しみです.

統計的問題解決研究所

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