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JMP16で困ったこと

JMP

JMPもサブスクに移行して,バージョンアップが定期的になってきてます.そのことはありがたんだけど,困ったこともある.何か改良なりがあるからバージョンアップするわけなんだけど,バージョンアップするから何か変えないと..と思っているのだとすると迷惑もあるんです.いつかお話しした「k分割交差検証」の廃止がいい例だけど,他にもいくつかあります.

一つ例をあげると「外れ値」を調べるから「多変量ロバスト推定の外れ値」がなくなってしまいました.「多変量」のところには,まだこの機能が残されているからいいんだけど,問題は代わりに実装された「ロバスト主成分分析による外れ値」です.このコマンドでは欠測値の補完をしてくれるんだけど,これがなにげに邪魔です.通常のデータ分析では,基本的に欠測値は補完すべきではないと思うんだけど,この処理が入ると補完された値が外れ値になったりしてわけがわかんなくなる.

「多変量のk近傍外れ値」も「k近傍外れ値」と名前を変えて残っているけど,少しUIが変更になって,JMP15までは実行後にkの値を入力するパネルが開いたけど,JMP16では下の図のようにパラメータがコマンド実行前に入力できるようになってます.

他の三つのコマンドも同様です.このことはありがたいんですが,デフォルトで「欠測値の補完」にチェックが入っているのが嫌ですね.環境設定のプラットフォームからデフォルトでOFFにできるから問題はないとはいえ,補完をデフォルトでONにするという考え方には賛同しかねます.

そういえば,コマンドの説明も変更になりました.「分位点範囲の外れ値」のところはJMP15では「裾の分位点から分位点は似のQ倍以上離れている値を外れ値とする」となってたのだけれど,JMP16では「1列ごとに,分位点に基づいて外れ値を特定する」となってます.どうみてもJMP15の説明のほうが親切かつ明確です.その下の「ロバスト推定による外れ値も同様」です.そもそもこの説明文を変更する必用あったんでしょうか?

「JMPではじめるデータサイエンス」のJMP16対応は本気で検討してます.ただ,紙の本だとJMP17でも同じことが起きるかもしれないので,今度は電子出版だけにしたいなと.できれば,Kindle出版で修正分は無料で公開したいと考えてます.ただ,今は時間がない...すいません.

それにしても,バージョンアップがありきの変更はやめてもらいたいなと思ってますが,如何でしょう?

統計的問題解決研究所

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