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連休の過ごし方

覚え書き

連休中はいかがお過ごしでしたでしょうか.毎週ブログを書いてはいますが,いつもJMPや統計に関わっているだけの日常ではありません.あまり訪れる人もいないと思うので本日は軽く連休中に何をしているかについて書いてみます.

子供の頃から石が好きで,小学生のときに当時としては大冒険だった長瀞に鉱物採集に友達を誘って出かけたりしていました.学生時代も地球物理学を専攻することを真剣に検討しましたが,当時は気象関係の研究室しかなかったので断念.結局,固体物理の研究室に入ったのですが,最初に読まされた論文が「鉄の相転移」に関するものでした.ご存知のように地球はほとんどが鉄でできているわけなので,地球物理には少しは近かったかなと思っています.しかも地球には相転移もあります.コアは鉄の塊だとしても,海では7km程度しかない地殻との間にあるマントルは2900kmの厚みがありますから,半径6400kmの地球の体積の大部分を占めています.このマントルの実態は岩石ですが,その組成により上部マントルと下部マントルとに分けられ,その境界領域に遷移層がありそこでは相転移が発生しています.

そういう経緯もあって,火山とか噴火といった現象に興味が以前よりあります.冒頭の写真は噴火予知の対象にもなっている富士山ですが,火山には美しい山が多いような気がしmす.雪をかぶった火山では浅間山が特に綺麗です.新幹線で近くを通るたびに次の噴火はブレー式(火砕流を伴うのが特徴)だろうかブリニー式(高く噴煙を上げるのが特徴)だろうとかなどと思っている乗客は珍しいかもしれません.多くの方が犠牲になった御嶽山の噴火も,第一報を聞いたときは,不謹慎にもブルカノ式噴火だと一番に思ってしまったことを正直に白状します.というわけで,この連休は前々から目を通そうと思っていた日本活火山総覧(第4版)Web掲載版などの文献を読んでいました.日本火山学会というのもあって,この学会のロゴが素敵なんですが,このサイトにも色々論文が掲載されています.例えば,東京大学地震研究所の先生の『噴火シナリオと確率論的予測』中田節也,火山第61巻(2016)第1号199-209頁,なども読んでみたのですが,やはり火山の噴火予知は難しいのかなというのが正直な感想です.このような確率論的な研究が第一線でなされているということは,従来の第一原理的なシミュレーションに限界があると感じておられるのでしょうか.避難勧告のリスク判断には重要な研究と思いますが,私たちにとっては決定論的な噴火予知を突き進めて欲しいところです.もちろん,そこは地震予知と同く「役に立つ科学が求められている」という悪しき最近の風潮が影響しているのでしょう.ですが,火山のある地域の方には申し訳ないのですが,地震や台風と違って噴火は多くの人には避けることのできる自然災害なのです.

演繹的なシミュレーションが難しいならば,人工知能を使って経験的な噴火予知をしようという研究もあるだろうと思い,今日はそういう文献を探しています.気分転換にということで始めたものの,結局,統計関連に戻ってしまっているのに気づきました.苦笑いをしつつ本日はこれで.

残りの休暇を楽しくお過ごしください.それではまた.

統計的問題解決研究所

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