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練習問題の解説(問14)

統計学のやさしい授業

練習問題を含め,このブログに質問やコメントをいただくことがあります.何らかのコメントがあるとメールが届くのですけど,そのメールは1週間に1度くらいしか受けない設定にしているので,前にもお伝えしている通り,お返事が遅れることがあります.そのことはご了承ください.

因みに,返事をしても半数くらいの人からは何の反応もなく,メールがちゃんと届いたのか不安になります.必ず何らかの返事はするようにしているので,1週間経っても返事が届かなかったら,お手数ですが再度ご連絡ください.

さて,今日は久しぶりに練習問題の解説をしてみようかと思います.前回は問13の補足をしたと記憶しているので,問14です.二項分布の問題ということはすぐお分かりですね.みみたの勝率が8割ということは成功確率p=0.8で,100番勝負したということはn=100と考えられ,この二つの数字が母数になります.

ですから,期待値はnp=80,分散はnp(1-p)=16,従って標準偏差は4となります.ですから,二項分布を正規分布に近似すると,みみたの勝ち数は80±4=[76, 84]の範囲に7割程度収まることになります.このとき,二項分布の正規近似の条件も確認しておくとベターです.np=80>10,n(1-p)=20>10 なので近似可能です.統計学の問題を解くのとは違って,実務ではこの近似条件を確認しないと失敗しますので,ご注意ください.

最後の設問はp=0.5になったときを考えればいいのです.分散は25になるので,標準偏差は5です.ですからばらつきは大きくなります.この成功確率が変わるとばらつきが大きくなるということを日常生活では忘れがちです.自信のない意思決定には大きな不確実性が伴うということ.そしてその不確実性を低減するには,何よりも成功確率を高めていくしかないということです.そのためにはさまざまな実験を通して仮説の信頼性を高めていくこと.つまりFDRを小さくしていくこと.技術活動とは,まさにこれが実態なのだと思っています.

それでは.

統計的問題解決研究所

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