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JMPのグラフは地味なのか?

JMP

ブログ移設してゴタゴタしております.皆様にもお手を煩わせて申し訳なく思っていますが,あちらのブログは使いにくかったことを引っ越してみて改めて認識しました.たいしたカスタマイズはできませんけれど,こちらでは思い切りシンプルにしてみましたが,いかがでしょう.さて「DOEを成功させるためのヒント」の続きを書いている途中だったということは覚えてはいるのですが,JMPer’s Meetingで確か7つあげたヒントがどれだったか忘れてしまっていて,思い出せないでいます.そこで,本日は先週の棒グラフの記事で書き忘れたことがあったので,次のエクセルのグラフを題材にします.

マスコミが怪しいグラフを使うというのは,見せたいことが先行してしまって,それが暴走している状態と言えるでしょうか.視聴者にわかりやすく見せたいという建前よりも印象操作したいという本音が見え見えなので,それが嫌らしく映ります.このような状況ですから,見せるメディアでは量の視覚効果で見せる棒グラフには要注意というのが先週のお話でした.原点を見せないなら,棒グラフは描かないくらい徹底した報道規制があってもいいと思います.

この一方で,変化を見せたいならば折れ線グラフとは言っても,X軸(あるいはY軸)の変数が名義尺度だと「これは違う」感もあります.こういうときに使うのが,Cleveland dot plotで,最近のJMPのブログでも解説記事がありました.(探したのですが,今すぐに出てこないので,リンクなしですいません.)このグラフについては別の機会に取り上げます.

駄目グラフのソースのもう一方の雄がお役所です.定点観察しているので,省庁によって稚拙があるのが良くわかります.経済産業省の外局である中小企業庁などは個人的には好印象を持っています.この中小企業白書は2006年版ですが,問題のあるグラフは総務省や民間企業からの引用グラフに多いということがわかります.この白書の例えばp11のグラフを見ていただくと同意していただけると思うのですが,棒グラフ系(帯グラフも含む)の視覚要素では色も重要ということがわかります.色使いに統一感がなく,見た目に汚らしいというだけでなく,赤や青の濃色系の棒がどうしても目立ってしまいます.そこを目立たせたいのであればまた話は別ですが,そういうわけでもありません.

なぜこのようなグラフが多いかというと,それはもちろんエクセルの影響です,冒頭のグラフは私がセミナーでよく使う「Women’s 100 metres world record progression」のグラフをエクセルで描いたものです.因みに,エクセルのおすすめ(のグラフ)に従うと上述のCleveland dot plotの変形(dotでなく棒で示されているので)が描けます.デフォルトでは棒が太すぎて棒グラフに見えるのでやや危険なグラフと言えるでしょう.そこで棒グラフを選ぶと,2つあるテンプレートのうちの一つが冒頭に掲げたグラフになるのです.まあ安心感はあるグラフではありますが,これはこれで色々駄目すぎます.そもそも原点が見えないので棒グラフとしては失格ですし,この色のセンスが残念すぎます.会社でもこういうグラフをよく見かけませんか.

JMP evangelistを自認するわたしですが,色々な方とお話をしていてときどき,JMPのグラフは貧相だということを聞くことがあります.それはなぜですと尋ねると色が地味だいう意見が割と多いです.確かに,JMPのグラフビルダー で棒グラフを描くと,色はデフォルトでは青一色です.もちろん,凡例の「平均」を右クリックして「塗りつぶしの色」からこのように色を変更することができるのはご存知ですね.少しは派手になりました. 全体の資料の中でこのグラフの存在をアピールするには一つの手かもしれません.

このグラフも含めてですが,以下のグラフは良いグラフではないです.そもそも何を見せたいかが明確ではないので可視化として無理があります.無理やり棒グラフにするとこうなりますというデモです.念のため.当然ながらデフォルトでは原点が表示されるので,変化がわからず地味に見えるし,そもそもわかりずらいです.正しく棒グラフを描くとこうなってしまうのです.もちろん,正しい棒グラフにはしたいけど,このデータでも色の変化を付けたいという人もいるでしょうから,そういう人にはJMPのグラフは地味に写っても仕方ありません.問題はセンスのない人がエクセルのおすすめのままに描いたグラフなのであって,デザインセンスのある人が思いのままにグラフを描くには物足りないかもしれません.

原点の問題はさておき,特にプレゼンなどで特定の棒に色をつけたいという状況もあると思います.こういうときはどうすれば良いかというと,Y軸にドロップした「Athelete」を「色ゾーン」にもドロップします.デフォルトではエクセルに負けないくらい色とりどりになりますが,ここで驚かないように.この配色は現在のカラーテーマが「定性」の一番上のカラーテーマになっているからなんです.なぜかこのテーマが「JMP標準」になっているので,このような配色になっています.

「JMP標準」ならばブルー系統にしておいて欲しいと思うのですけど.そこで,赤三角から「カテゴリー変数のカラーテーマ」を選択するとカラーテーマが選べますので,この中から「順次」でブルーのグラデーション(白->青)を選んだのがこの図です.

個別に色を塗れるというデモとして,このように色を使うのであれば,せめて同一系統の色にして明度で区別します.それはなぜだかというと印刷したときにも区別つくようにです.色ゾーンに変数をドロップしたこの状態ですと,棒の色を個別に変更できます.あまり良いカラーデザインではありませんけど,ジョイナーのみを赤にしてみました.

色については,もう一歩上をわたしたちは目指すべきなのですが,長くなってしまったので,このことについてはまたそのうちとします.こういう泥縄式のブログなので,だんだん自分でも訳が分からなくなってきていますが,ブログというのは即興性がなければ書いていることが仕事になってしまうのでどうぞお許しを.

それではまた.

統計的問題解決研究所

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