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フォローアップセミナーのフォローアップ

覚え書き

 先日のフォローアップセミナーには,暑い中での開催にも関わらず多くの方に参加して頂きました.この場であらためて感謝いたします.今回は読者限定セミナーという性格から先着順にはしたくなかったので,SAS社の営業さんから開催案内をしてもらうことにしました.このためか,蓋を開けてみれば予想よりも業界が偏ってしまいました.今後,同じセミナーを別の分野の皆さん対象に広げていく予定ですので,その機会があればぜひおいで下さい.それと第5講を対象とした今回の続きのセミナーは必ずやります.今度はもっとゆっくり時間を掛けて,懇親会の場で公開事例相談などをやるという案も出ていますので,実現したらお互い有意義なイベントになりそうです.

セミナー後に,当日使用したファイルを社内で配布してもよいかというお問い合わせをいただきましたが,本書購入者限定で(面倒おかけして恐縮ですが)個々にオーム社のサイトからダウンロードして頂くというサポートファイルと同じ扱いでお願いいたします.但し,第3講で使用したファイルは,当日お話ししたように没原稿のためのファイルなのでどこにもアップロードされていません.そこで今回のセミナーに参加できなかった方でご希望の方は連絡していただければ直接ファイルをお送りします.
当日使用したパワーポイントファイルを復習のために配布してほしいというお問い合わせもいただきました.本書のフォローアップセミナーということでテキスト持参で参加していただいているので,そもそも配布を資料はないはずだったのです.ところが,前日になって急遽,本書のドラフト段階で没にした内容をお話ししようと思い立ち,結果として第3講では配布資料を用意したほうが良かったかもしれません.とはいえ,私がセミナーで使っているスライドはAppleのKeynoteで作成しているので,そもそもMacユーザーでなければ開くことはできませんし,クラウド上で作業している関係で,私のMacでなければ開ないように暗号化されているのでそのまま配布しても役に立ちません.復習したいというかたがいらっしゃいましたら,コメントでお知らせください,何らかの方法を検討します.
ただ,当日の資料そのものは既に消去してしまっています.わたしはこのようなセミナーは一期一会のものであるべきと考えていて,資料の使い回しはできるだけしないようにしています.もちろん,一から作成するというわけではなく,ストックしているスライドから受講者の顔を思い浮かべてそれに見合うスライドを選択して,一つにまとめてから加筆・修正を加えています.そもそもパワーポイントが使いこなせない性質なので,いろいろと工夫して今のような流儀に落ち着きました.パワーポイントについてはいろいろと思うところあり,やはり没にした原稿の「ひとやすみ」にも書いた記憶があるので,そのうちブログに掲載します.
さて,セミナー講師の経験からわかるのですが,今回のセミナーでは皆様熱心に聞いてくださりました.一澤帆布のことをお話しした際に女性の方だったと思うのですが,「いい言葉だな」という感想を言ってくださったことが嬉しかったです.この場で改めて紹介しますが,一澤帆布というのは京都の有名な帆布鞄の老舗で,そこのHPに「私たちの工房には製造マニュアルがありません。製造マニュアルに頼ると、人の知恵と工夫が生まれないからです。」と書かれているのです.実戦ではマニュアルは役に立たないどころか,技術者の熱意をスポイルするというわたしの考えに合致するものです.
本書では「問題解決の手引き」と称したこともあって(注意深く抽象的には書きましたけれど)問題解決のマニュアル的な捉えたかをする人もいるので,この点はフォローアップセミナーではぜひ強調しようと思っていました.斉藤一の言葉も紹介しました.斎藤一をご存知の方が何名かいらっしゃいましたが,新選組の三番組組長で剣の腕は沖田総司と双璧をなし,永倉新八をして「斎藤は無敵の剣」と語らしめたという人物です.明治政府の人材の薄さ故か懐の広さ故かはわかりませんが,かつての仇とはいえ彼は後年警視庁で警部にまで重用されるのですが,真剣での斬り合いで語ったと言う言葉が残っています.「どうもこの真剣での斬り合いというものは,敵がこう斬りこんで来たら,それをこう払っておいて,そのすきにこう斬りこんで行くなどという事は出来るものではなく,夢中になって斬り合うのです.」司馬遼太郎の新撰組血風録が好きなわたしのセミナーではよく近藤勇などが出てきます.
誤解の無いように補足しますとマニュアルがダメだ不要だと言っているわけでは無いのです.マニュアルはその背後にある考えを理解せずに使うべきでは無いという意見です.また,背後にある考えを理解しないうちはマニュアルは書くべきでは無いということです.この話は後日することにして,本日はここまで.それでは.
統計的問題解決研究所

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