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Amazon初登場

覚え書き

『JMPではじめる統計的問題解決入門』がAmazonに登場しました.まだ最終原稿は手元にあるので何か不思議な感じです.Amazonといえば,レビューですけど,こういう本にはレビューはつかないそうで,ついているのは先生の書いた本に生徒がつけるとか,身内が多いそうです.これは本音の話なのですが,Amazonのレビューで,低い評価をつけられてももいいんです.例えば最近読んだ本の中で一番読んでよかった,國分功一郎(2011)『暇と退屈の倫理学』朝日出版社でさえ星一つをつける人がいるくらいです.しかも大学生の卒論レベルと手厳しいコメントもあります.大学生の卒論レベルではあそこまで文献を読み込まないと思うんですけど.着想があって構想を広げて論理展開しているのもよくわかるし,スピノザやカントは読む気になれないけれど,國分先生の本には引き込まれました.何よりも読んで理解できた哲学(とは言えないかもしれませんが)の本というのは人生体験としても貴重です.

 こういう名著にも星一つをつける人がいるくらいなのです.統計関係の本でも,本書でも言及している西内啓(2013)『統計学が最強の学問である』ダイヤモンド社の本日現在のレビュー総数240に対して星一つが27(11%)で星五つが58(24%)です.書籍の価値と星の数の相関はどのように考えたらよいのでしょう?要約統計量として平均で十分なのか,それともメディアンなどの他の指標を考えるべきなのか.おそらく陪審員定理などを使って合理的に考えることはできそうです.

ちなみにこの西内さんの本は最近まで『統計学は...』と思ってました.前回の校正でこの間違いに気づき訂正しましたが,改めて「統計学が...」というのはすごいコピーですね.「統計学は」ならば最強クラスの学問は他にもいろいろあって統計学もそれらにひけをとらないぞというニュアンスになりますが,「統計学が」ですと統計学が一番強いことになってしまいます.コピーとはいえこれは言い過ぎですね.おそらくこのコピーに感ずるところで両極端の評価になっているのでしょう.実際この本にはなぜ物理や経済学を凌いで統計学が最強なのかは書かれていなかったので,少々期待外れでした.それでは統計学はどういう学問なのかというと,最強***学問であるというのが『JMPではじめる統計的問題解決入門』での答えです.***は伏字です.書籍がリリースされてから改めてこのブログで回答を書きますので,当ててみてください.

統計的問題解決研究所

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