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システムを意識しよう

覚え書き

昨日のJMPer’s Meetingさ参加してくださった皆様.どうもありがとうございました.当日は花粉症の影響で喉の調子がよろしくなく,体調的にも今ひとつでしたが,多くの方にお会いできてとても有意義でした.
さて,昨日もお話しした「DOEを成功させるためのヒント」について続けます.今週はその2として「システムを意識しよう」ということについて書きます.システムという言葉は,日本語ですとSEに代表されるようにコンピュータ関連の特にソフトウェアに限定して使われることが多いのですが,そもそもは系という訳が与えられている広範囲な概念をも意味します.例えば太陽系はソーラー・システムです.一企業の囲い込みを「エコシステム」などときれいごとで表現することもあります.

DOEによる問題解決の場合,最適化する対象をシステムと見做すことが大切です.この場合のシステムは,個々の構成要素が全体として機能していると考えます.ですから,ほとんどのモノはシステムです.例えば,自動車,PCと言った工業製品はもちろん,カレーライスやおでんなどの料理もシステムと考えることができます.そうだからこそ,こう言ったモノは最適化即ちその機能を最大化することができるのです.最適化設計ではDOEによるデータでシステムを数式化するわけですが,そのDOEがカスタム計画であるときは,システムの構成を仮定する必要があります.鶏と卵のようではありますが,物理学で理論構築の際にモデルを立てるのと似ています.このシステムモデルを元に統計モデルという別のモデルを立てるのがややこしいところです.

システムのモデルをもとにDOEを構築する場合,設計因子と特性はシステムの縦糸と横糸であると意識します.こういうときに,よくフィッシュボーン・チャートを使うように書いてある本もあります.JMPではishikawaダイアグラムとして実装されていますが,わたしはそれよりもマインドマップ的なものを紙に書くことをお勧めしています.マインドマップはフリーも含めていろいろソフトやアプリがリリースされていますが,紙に書いた方が絶対いいです.A4のコピー用紙を横にして使うのがお勧めです.ノートに書くならば無地に限ります.どう書いていくかというと,ステークホルダーでシステムを把握することがコツです.

例えば,「おでん」というシステムには作る人と食べる人というステークホルダーがいます.作る人は,レシピ(材料の種類と量)や調理方法・手順などで「おでん」に関わります.食べる人は代金を支払って味や食感などを得ることで「おでん」に関わります.これで一通りの縦糸と横糸が導かれたわけですが,実践的なDOEではもう一人の重要なステークホルダーがいらっしゃいます.それは誤解されることを恐れず言ってしまえば,神様です.神様は「おでん」に気温などの環境として影響します.関東か関西かという場の違いを考慮するならば,固定因子とすべきかノイズ因子とすべきかで悩むこともあるかもしれません.然しながら,この段階では作る人(お店)または食べる人が関東にあるか関西にあるかという関わり方で捉えるに留めておきます.

今日は昨日無理したせいで喉の調子がいまいちなのでここまでとしますが,ここらへんの説明は本書P173をご参考にしてくださるとわかりやすいかと思います.

それではまた.

統計的問題解決研究所

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