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いよいよ来週はDISCOVERY SUMMIT JAPAN 2017

覚え書き

いよいよ来週はDISCOVERY SUMMIT JAPAN(DSJ)2017が開催されます.このところ週末になると天気が崩れるので当日の天気が気になりますが,このところ天気運には恵まれているので大丈夫ではないかと期待しています.何しろ先月の出版記念セミナーでは,前日まで東京では127年ぶり15日連続で10月に雨が降ったそうですが,当日の26日は良い天気に恵まれました.DSJでは私もポスターと口頭発表させていただくことになっていまして,先日発表資料を提出したところです.今回の発表は産業分野の皆様の手本となればとも思い,SAS社指定のテンプレートを使いました.本年のテーマカラーは緑のようですね.実は普段はこのようなテンプレートはできるだけ使わないようにしています.チャートジャンクならぬPPTジャンクとでもいいましょうか.必要ない情報は見るのに邪魔なだけでなく余白の美しさを台無しにするものです.某社のプレゼンでは毎ページに目立つ色とデザインで精神的なスローガンが入っていて,見ているだけで疲れてしまいました.

DSJ 2017のテンプレートには下部中央にコピーライト表示が入っていて,デフォルトではこのようになっています.
Copyright © 2017 SAS Institute Inc. All rights reserved.
このコピーライト表示は各自で資料作成者の名前や(業務上の著作物は会社に帰属することになっている場合は)会社名などに差し替えます.学会の投稿論文のように印刷やWEB送信を前提とするものは基本的に著作権は学会に譲渡することが多いのですが,プレゼン資料の著作権までは譲渡しません.資料の著作権をSAS社に譲渡するとそれを社内で使うには著作権利用許諾が必要になってしまいます.

ところでこのテンプレートのコーピーライト表示にはおかしいところがありますが,お分かりでしょうか.まず第一に,© はCopyrightの省略記号なので,両者を同時に表紙する必要はありません.ダブっているとおかしいので © またはCopyright だけを残すべきです.さらに.All rights reservedはブエノスアイレス条約に調印していない日本では意味(効力)がありませんから省くべきです.おそらくUS本社指定のテンプレートだからでしょうが,こちらに紹介されているように,米国でも既に実質的意味合いはないので,最近では表示しません.

前にもお話ししたかもしれませんが,私は今年もSteering Committeeを拝命しているので,今年は「統計的問題解決入門」の紹介のポスターを景気付けに展示させていただくだけにして,自ら発表する予定はありませんでした.ところが,海外からエントリーで都合がつかなくなったという方が出て急遽その穴埋めに抜擢されたのです.常々,産業分野のJMPユーザーをもっと活発にしたいと考えていたので,この機会に来年のSUMMITへの発表をお誘いするようなお話をすることにしました.

今年の米国でのSUMMITは先月St. Louisで開催されました.講演者数を比較すると米国が総勢72名(内4名は基調講演)に対し日本は26名(基調講演は2名)です.そもそも4日間に渡って開催されるという日本とは規模が違うイベントなので,講演者数が少ないのは当たり前ですが,講演内容を見ると日本では圧倒的に医薬関連の発表が多いのが特徴です.発表数は米国のおよそ2倍あるので,発表総数では三分の一近いことを考えると如何にアンバランスであることがわかります.当然それだけ産業分野からの発表は日本では少ないということです.また,開発拠点のある米国ではSAS社からの発表も多く,今年もあのDSDの考案者(の一人)のBradley Jonesさんも自ら発表されたようです.

その他,米国の発表には色々とバラエティに富んでいるのも特徴的です.個人的に注目しているのは3人のUS Armyからの発表です.Army Sniper Munition Optimization: A Comprehensive Dispersion Response Analysis Using a Custom Split-Plot Design, Loglinear Variance and Graphical Analyses,というChristopher DrakeさんとDouglas Rayさんの発表ですが,要旨によれば,JMPを使って高性能ライフルのスナイパー弾の命中精度を改善するという事例です.FPSゲームをやっている人ならばammoといえばお分かりのように,こういうやつです.カスタム計画を使った予測モデルによるパラメータ最適化設計の事例で,得られた最適解をグラフビルダーなどで可視化してじっくりと考察されているようで,ぜひ詳しい内容が知りたく,SAS社に発表内容を問い合わせてみます.

日本の発表にも興味深いものがありますので楽しみにしています.当日お会いできる方はポスターにお立ち寄りいただいて,ぜひ声をかけてください.参加できない方も後日になりますがこの場で報告しますのでお待ちいただければと思います.

それではまた.

統計的問題解決研究所

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