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コロナと統計リテラシー

統計リテラシー
お茶, 飲む, 茶碗, 中国, カップ, ホット, 朝ごはん, 飲料

Appleの2021年12月25日締めの2022年会計年度第1四半期の業績が発表されました.売り上げが1239億ドル(約14兆3000億円)と前年同期比で11%も増加して過去最高です.古くからのAppleユーザーとしては嬉しい気もしますが,この中で日本市場だけ落ち込んでるんです.

そもそもアメリカに比べると5分の1以下のマーケットだったのですが,それでも,1年前までは中国と日本を除いたアジア全体のマーケットと互角でした.それが,今回の発表では日本市場の方が3割ほど小さくなってます.Apple製品は高いのは事実なので,それを買うだけの余裕が亡くなってきたのでしょうか.

他の国では売上が伸びているので,日本だけというのが気掛かりです.OSのインストール後の最初の立ち上げ画面では,世界各国語であいさつが表示されるます.以前は英語の次に日本語だったのですが,つい最近の経験では,中国に代わっていたように記憶しています.何しろ日本の3.6倍以上のマーケットですから.この状況が続けば,開発の優先順位が落とされることにもなりかねません.日本の経済力の低下は以前から指摘されていましたが,ここにきてそれが加速している一つの要因がコロナの対応です.

確かに感染者は過去最高になり,再び緊急事態宣言が出るとか出ないとか.それはデータを見ての判断とは思えません.オミクロン株の流行に伴い,様子見のために経済活動の一部を停止した状況が続いています.少なくない方が亡くなられた過去の経験を踏まえれば,そのことは非難できませんが,様子見をいつまで続けるのかが問題です.

重症者数は確実に増加しているのは事実ですが,前回の第5波と異なり,ECMO装着者数はまだ増えていません.日本全国で現時点で4名,東京都では19日に0になってから10日以上も0が続いています.感染者数と死亡者数とのタイムラグがあるのは事実です.以前から二週間というごく初期の情報はいまだに無批判に継承されていますが,ごく初期の集計のタイミングによる遅れがほとんどで,国内のコロナのECMO治療の転帰に至る日数は6日目以降に上昇しているので,実際には一週間程度ということがデータからわかっています

国内の感染者数が5万人を超えたのが1月22日ですから,それから10日経ってまだECMO装着者は増えていないというのがデータです.これをもとに判断すべきところ,以前のデータをもとにした判断が考えなしに継承されてしまっている.このことが問題だと考えています.

因みにコロナはただの風邪などと乱暴なことを言うつもりもありませんし,家に立て篭もると言う行動そのものも非難されるものではありません.誰だって,インフルエンザにすらかかりたくないですから.私も今年に入ってほとんど外出していません.ただ,声の大きい人たちの意見に対して,考えなしに「流されている」人が多いと言う状況を危惧しています.もちろん,新宿で反ワクチンの方々がノーマスクでデモなんかやってますが,この方たちもデータから自分で考えることせずに「流されている」としか思えません.

政府の対応がどうであれ,私たち自身がしっかりと考えて行動すべきところ,残念ながら,SNSの流行に伴って,この「流される」人が多くなってしまいました.私自身は公開アカウントは休眠状態で何も活動していませんが,無批判に直感的にRTしてしまうことでは,私自信も人のことは言えません.情報に「流されない」でそれを受け止め自分で考えて行動することにはエネルギーが伴います.様々なことに疲れエネルギーを使い果たしている現代人に「流される」人が多いのは当然かもしれません.

そんな今こそ,考える技術者になって欲しい.そういう考えのもと,若手を対象に「統計リテラシー」のセミナーを開催しています.そのネタの一部は毎年変えているのですが,今年の新ネタを探している最中です.例えば,こんなニュースが候補です.

「わずか10秒で新型コロナの感染力が低下する」大学教授が予防効果アリと期待する”ある飲み物” 口からのウイルス拡散予防に期待 というネット記事.これを読んで「ある飲み物」とは紅茶かなと思ったら,紅茶でした.

さて,この記事を読んで「流されず」に考えて判断してみてください.この続きは来週書きます.

それでは.

統計的問題解決研究所

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