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Discovery Summit Tokyo 2019

覚え書き

予告通り今週はDiscovery Summit Tokyo 2019で個人的に興味がある口頭発表を紹介していきます.最初に言っておきますと,今回は応募多数のため,多くの方にポスターに回って頂いたり,発表を見合わせていただくことになりました.該当された方々には本当に心苦しく思います.学会ではないので,応募者の方々のは全員発表していただきたいというのが基本方針なのですが,会場の都合でそうもいかないという事情もあります.そこは発表者の所属分野や内容の難易度でバランス調整をしなければなりません.今年はJohn Sallさんが来日されることとJMP15の発表と重なったこともあって,口頭発表は特にタイトで優先順位をつけることは必然でした.

良い機会なので,来年は発表したいと考えている方のために,ヒントを書いておきます.因みに,以下は私個人の意見なので,他の委員のかたやSAS社の考えとは必ずしも一致するとは限りません.少なくとも,私個人としての意見と受け止めてください.産業分野の場合では,まず大事なのは内容が特定の分野以外の方にも理解できるかということを私は重視します.業界によって様々な専門用語がありますが,エントリーの際の要旨が専門用語や社内用語で溢れていると短い発表時間の中ではそれらを説明しきれないのではないかと懸念します.優先順位としては有利にはなりません.他の分野の方にも理解できるように配慮していることを,エントリーの際に明記していただくと良いと思います.また,企業によっては各地に拠点があるところもありますが,たとえ独立した発表であっても,こちらから見れば同じ会社から二つの発表と見えてしまいます.会社内で調整していただいて,複数エントリーするにしてもその中で優先順位をつけて頂いた方が良いですね.自分の会社から他に誰かエントリーしているか不明という状況ならば,SAS社の営業担当者と会話すると良いかもしれません.

さて,口頭発表ですが,今年は50分枠は3件,25分枠は12件です.50分枠の3件ではScott Wiseさんの「グラフビルダーを活用した魅力的なグラフの作り方」が一押しです.最新バージョンのJMPで新たに追加された機能を主に紹介する「ギャラリー4」のためのグラフを作成しました。 とあるので,グラフビルダーがJMP15でどのような進化を遂げているかをいち早く知る絶好の機会です.年々機能強化されてきているので実はこれを一番楽しみにしています.昨年のScottさんの講演は一番人気だったそうで,今年も多くの方が参加されると思います.同じ枠の,高橋先生の「包括設計法の概念と技法 ~設計における同定化と模型化と最適化~」もパラメータ最適化を学ぶには良いと思いますが,時間が短いのが残念です.おそらく別の機会(JMPer’s Meetingなど)にまたお話しいただけることを期待しています.そういえば,高橋先生は全く別の「アンケートによる調査と仮想実験 ~顧客満足度の把握と向上~」というセミナーも2019年9月26日に開催されるようです.私も都合がつけば参加したいのですが,ちょっと時間的に厳しいかなという感じです.

次の枠からは25分の発表です.最初の枠は迷いましたが,おそらく,Kelci Miclausさんの「ライフサイエンスデータによる効果的なコミュニケーションと可視化」を聞きます.理由は米国SASからいらっしゃるので,おそらくここでしか聞けないからです.とはいえ,コレスポンデンス分析や決定的スクニーニング計画の事例にも興味があり,帝京平成大学の濃沼先生,高木先生の発表にするかを今のところ迷っています.その次の枠は佐藤さん兼松さんの「ワカメ種苗生産最適化研究へのJMP活用」か上条さんの「可搬型医療機器の修理費用予測とその活用について ~ MCF(平均累計関数)の活用 ~」かの二択ですね.ただ,「ワカメ...」の方は実は某所で発表を聴講したことがあって,内容が同じであれば上条さんの方にしようかなと思っています.とはいえ,「ワカメ...」をまだ聞いたことない方はほとんどでしょうから,面白いので聞いてみてください.最後の枠は濱口さんの「L12直交表の3つの使い方 ~技術力を活かして、最短の実験を行う方法~」を聞く予定にしています.濱口さんには普段から色々お教え受けているので今更なので,田口さんの「動画マニュアル作成における作業標準化のための要素解析」の方を聞かせていただくかもしれません.とはいえ,まだ濱口さんのお話を聞いたことがないという産業分野の方は聞いて損はありませんのでお勧めします.

一応コミッティメンバーとして義務はないものの,この催しを盛り上げたいという気持ちもあって,昨年はお客が疎らなところに積極的に顔を出していました.上述したのはあくまでも予定なので,今年もそうするかもしれません.

それではまた.

統計的問題解決研究所

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