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DSJ2022

Discovery SummitJMPではじめる統計的問題解決入門

先週再再されたDiscovery Summit Japan 2022では,JMP17の新機能を色々と勉強できたわけですが,近年では最も大きなバージョンアップとなったようです.特に「ワークフロービルダー」と「ナビ付きDOE」の二つが大きな目玉でしょうか?

「ナビ付きDOE」は英語版では「Easy DOE」であって米国SAS社のプレゼンでもそのように呼んでいましたね.「ナビ付きDOE」という翻訳はよく考えられたのでしょうけれど,このプラットフォームは実験計画の作成をするものだから,自分としては「DOEナビゲーター」とかにして欲しかったです.「イージー実験計画」とかの直訳よりはマシですけど.

実験計画を教える立場としてどこまで使い物になるかはとても興味がありますけど,カスタム計画を作成する前提ではあまり必要ないかなというのが第一印象.とはいえ,定義→モデル→計画→データ入力→分析→予測→レポート という一連の流れを提示しているのには好印象を持ちました.以前からこのブログでも行っているように,実験計画とは,計画を作成するだけの技術やその技術で作成した実験条件だけを指すわけじゃないんです.交渉や折衝のためのレポートを作成するゴールを見据えて,定義するところから始まる一連の技術のことです.これまさに『統計的問題解決入門』で私が言っていること.

「ナビ付きDOE」がどこまで使えるかは評価にもう少し時間がかかりそうだけど,「ワークフロービルダー」は今すぐ使えますね.JMP16で「アクションスクリプト」が導入されて,JMP15ユーザーにはJSLを勉強するならJMP16まで待ってからの方がいいと言っていましたけど.今後はJMP17まで待った方がいいとアドバイスします.JSLの興味があるほとんどのユーザーは,分析の自動化が目的なので「ワークフロービルダー」で事足ります.というよりJSLを覚える必要は無くなりました.

JSLを必要とするのはPythonやRを日常的に使っているような人で,JMPとの連携がしたい人くらいになるのではないかな.データ分析を教える立場としても,分析のオブジェクトを提供することで教育的な効果も非常に高いと感じました.コンサルティングにも使えそう.詳しいことは,このブログに書いていきたいと思ってます.

今年のSummitはJMP17関連のプレゼンばかり見入ってしまって,裏番組?のユーザー事例の方は見れなかったのが残念です.再放送がある発表はこれからみていくつもり.期間限定の発表もあるので,も忘れた方はお早めに.

それでは.

統計的問題解決研究所

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