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執筆中の悩み事など

覚え書き

少しまえから,このブログでもまた人に会う度に,性懲りも無く本を書いていると公言しています.そうでもして外堀を埋めないと挫けてしまうのです.ありがたいことではあるのですが,仕事も忙しくなってきていて,なかなか執筆に時間が割けません.できれば今年のSummitに間に合わせたいなと考えていますので,今月が勝負です.ということで,まあ誰が読んでいるかもわからないこのブログも暫く休載しようとも考えたのですが,執筆で悩んでいることなどを書きつつ頭を整理してみます.

先日行った大阪での一コマ.因みに本文とは全く関係ありません.

『統計的問題解決入門』ではページ数の制限に苦しみました.オリジナルの原稿では第8講まであったのですが,そのうち2講分を削除して,更に2講を1講にまとめて第5講とする外科手術のような荒技で編集しました.第5講は少し難しいとよく言われるのですが,その理由はこの無理な編集のためです.もう少し丁寧に解説したかったのですが.今にして思えば,JMPくんと統子ちゃん計太くんの三人の会話を織り交ぜて進行しようとしたことにも問題あったかもしれません.一部からは会話があるのはわかりやすいとは言われるのですが,やはり会話部分が少し長すぎたとも考えています.

それで,今回はどうしようかと悩んでいます.当初は会話も全くなしでJMPくんも登場しない堅い本にしようと考えていたのですが,前回よりも初心者向きの本なので,並べたときにバランスが悪いと思い直しました.今のところ,一部に簡単に三人の会話を入れる予定で,操作説明にはJMPくんに登場してもらうように原稿を書き直していますが,まだ悩んでいます.自分自身は面白みがない堅い本が好きなのですが,JMPの本としては,それもどうかなと.漫画なども好き嫌いあると思います.前回はまた本を書くなどとは考えてもいなかったので自分の趣味を通しましたが,今度のは読む人のことも考えるべきかなともと悩んでいます.

それと,仮説検定をどの程度取り上げるかでも迷っています.JMPの検定のコマンドをすべて説明するわけにもいきません.すごい数がありますから.仮説検定を全く知らない人をどこまでケアすべきかも悩みどころです.JMPの本なのだからといってp値の概念を説明しなくても良いものなのか.内田先生の「JMPによるデータ分析」の第1版を参考にみたところ,32ページで仮説検定が説明されていました.その最初の5ページで仮説検定が説明されています.私にはこんなにコンパクトに説明できそうもありません.例えばp値について次のような記述があります.

H0が正しいと仮定したときに,収集したデータから求めた統計量よりもかたよった方向に大きな値が生じる確率を計算することになるのですが,この確率をp値(または有意確率)と呼んでいます.(p237)

私はp値は観測値の累積出現確率とか,あるいは得られた知見にどれだけ驚くべき情報が潜んでいるかの確率などと話していますが,このように簡単に説明した方がいいのかもしれない...けれど,これではわからないよね...などと悩んでいます.

多重比較を取り上げるかとかノンパラは素通りしていいのかと,前回も思いましたが,やはり本を書くのは線引きが重要ですね.その線をどこに引くかでいい本か否かが決まるわけですからこれもある意味で最適化すべきシステムなのでしょう.

JMP15がリリースされるというタイミングでの出版というのも悩みどころです.今回はJMP Liveが目玉でしょうから,おそらく「発行」に関する部分も手入れが入ると様子してます.実は「発行」も含めたJMPで分析レポートを書くというコンセプトも持っていたのですが,このタイミングではすぐに情報が古くなりそうなので今回は見合わせた経緯があります.

色々と悩み事を書き連ねましたが,最大の悩みは時間をどう確保するかということです.基本的に早朝と土日のみ稼働ということにしているので,この三連休頑張ります.

それではまた.

統計的問題解決研究所

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