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女性パイロットとパラメータ設計

覚え書き

 以前からブログに書こうと思っていたことがあるのですが,いざ書き始めるといろいろと深く考え込んでしまうこと多々あるので,本日は全くの雑談に変更しました.といっても,何を書くかは決まっているわけではないので,昨日のニュースに目を通しながら思案を巡らせています.このブログは自分へのチャレンジとして続けていると言う側面もあるので,何か題材を探す必要があります.目に止まったのが次の記事です.

島で発見の人骨、女性飛行士イアハートの可能性高い 研究成果
太平洋離島で発見の人骨、A・イアハートのものか 米研究
なぜか日本ではイアハートと呼ばれるエアハートという有名なパイロットの失踪の謎が判明しそうだとのことです.パイロットといってもリンドバーグの時代の人で1928年に大西洋横断無着陸飛行に成功しました.日本での知名度はリンドバーグほどは高くないと思いますが,米国では誰もが知っている「あの伝説の」と冠がつくほどに人気が高い有名人物でした.
いまウィキペディアをみたところでは,やはり「エアハート」が言語の表記に近いとあります.日本語のカタカナを英語風に発音しても全く通じないと言う経験を何度もしている私ですが,余計なお世話といわれようと少なくとも人名と地名だけは原語の発音を真似した方が無難です.エアハートという文字であれば見ればわかりますけれど,イントネーションも重要です.2015年のSUMMITで来日されたWilliams CollegeのRichard D. De Veaux(デ・ヴォー)先生とお話しした際.大学がマサチューセッツ州にあるので,彼の地での実験的営みの日々の回想録として有名な『森の生活』 のことを話題にしようとしました.当時は原題を知らなかったので(今調べたら単純に”LIFE IN THE WOODS”でした.),「ソローが書いた本」と言ってもこれが伝わらないのです.本の内容を話し出すと,「あ,ソローね.」とようやくわかって頂けたのでした.このように書いてもよくわかりませんが,原語ではソローのローがあがるイントネーションで発音するということがポイントです.あまりにも日本語化してしまっているものは仕方ないですけれど,知っているならば日本でも嫌味にならない程度に(これが重要),原語発音に近い表記を心がけるべきと考えています.
とはいえ,英語化してしまった変な発音もあるので注意が必要です.例えば,J.S.BachのCDを買いにいって全く通じなかったことがあります.自分で見つけて店員に見せたら「ああ,バックのことね.」とか.ウルトラマンはアルトラマンだったり,ワコムのタブレットが通じなくて,それはワイコムと読むんだよと教えてもらったり?
話が逸れました.エアハートですが,日本の捕虜になって亡くなったという説があります.興味がある方は,例えば,こちらとかこちらをご覧ください.旧日本軍がアメリカの英雄しかも女性を捕虜にして殺したとかの説は彼女の人気にあやかろうとした志の低いメディアのなせるものとはいえ,証拠がないのでいつまでも亡霊のように付き纏ってくるのです.イエスの墓は青森県にあるとか,源義経がモンゴルに渡ってチンギス・ハーンになったとかの類と一緒です.
あまり知られていないと思いますが,マーケティングでは「アメリア・イアハート効果」と言われている言葉があります.その分野で一番になれなくても,見方をかえれば一番なので,それをマーケティングに使うということです.楽天などでも,とても細かいカテゴリー内でランキング1位とうたっていて何か意味があるのかと思っていましたが,あれが「アメリア・イアハート効果」を使った手法なのですしょうか.
確かにエアハートはリンドバーグに最初の大西洋横断で先を越されたとはいえ,女性としては世界初であったために今の世に名を残しているともいえます.一番になるには層別化を進めていけばよいということですが,果たしてそうなのでしょうか.エアハートは,”Never do things others can do and will do if there are things others cannot do or will not do.”と言う言葉も残しています.最初から一番になることを目指していたのではなく,誰もできないこと,やらないことをやっていたら一番になっていた,ということなのです.ですから,「アメリア・イアハート効果」のマーケティング分野での使われ方は,彼女に対する誤解を招くもののように感じます.彼女の人生においては一番になることが目的だったのではなくて,単なる結果に過ぎなかったのでしょう.エアハートが今の世に名を残しているのは,39歳の若さでそれこそ大空に散った伝説のヒロインということに加え,女性の地位向上に尽くした貢献によるところが大きいのです.
日常的に万年筆を使っているものとして,常々万年筆にも興味を持っているのですが,限定品の高級万年筆を専業とすることで有名なKrone(クローネ)にもエアハートの名を冠した美しい万年筆があります.クローネの万年筆はとにかく高価で,例えばアルベルト・アインシュタイン万年筆などは,アインシュタイン直筆の原稿を裁断した紙片が埋め込まれているとかで値段は,ebayで今みたら$7425もしています.
アインシュタインといえば,去年日本滞在中のメモがオークションで1億円を超える価格で落札されたというニュースがありました.
直筆メモは2枚あって,そのうちの一枚には英語に訳すと“a quiet and modest life brings more joy than a pursuit of success bound with constant unrest.”と書かれています.日本語では「静かで謙虚な人生は成功を追い求めて常に不安に脅かされるよりも幸せである.」というような意味でしょうか.この格言がアインシュタインのオリジナルであるか否かは不明ですが,一番を目指すことは必ずしも幸福には繋がらないということを教えてくれています.
エアハートとアインシュタインの言葉を(無理やり)統合すると,人がやらない(やれない,やりたがらない)ことをやれば,その結果一番になれるかもしれないし,一番になれなくてもそれもまた幸福なものだ.というようなことでしょうか.
さて,ここで落ちをつけなければなりません.エアハート,アインシュタインときて,以下でそれらを強引にタイトルにあるパラメータ設計に結びつけようと思いますが,本日はこれから外出しなければならないので,続きはまた明日とさせてください.
それではまた明日.
統計的問題解決研究所

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