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JMPくん

覚え書き

「統計的問題解決入門」に登場するJMPくんは昨年のDSJ(Discovery Summit Japan)でポスターで参加した際に何か見た目が楽しくなるような絵が欲しかったので,イラストレーターの原山さんに頼んで考えてもらったものです.あのJMPの飛び跳ねている人のシンボルをもとにしているのはもちろんです.見ようによってはマンガ化しすぎているので使用するにあたり,SAS社にお伺いを立てたところ,わざわざUSの担当部門に確認とっていいただき,快諾していただきました.

ポスター展示には御大John Sallさんにも立ち寄っていただきました.JMPくんの絵を見つけたようなので「これはJMP Boy」だと説明したところ,「写真をとってもいいか」と聞かれました.「sure」と答えたところ,ご自分のiPhonesで写真を撮られて,それを見せていただきました.JMPくんは「cute」だとおっしゃっていました.というわけでJMP御大からもお咎めなかったので,今回の書籍でもJMPくんに登場してもらっています.
JMPの操作に関するところは対話式に書くというプランはもともとあって,生徒役の統子(のりこ)ちゃんと計太くんはすんなりと決まったのですが,先生役をだれにするかで悩んでいました.対話式に書いてある本として有名なのが佐藤俊哉(2005)『宇宙怪人しまりす医療統計を学ぶ』岩波書店ですね.楽しく勉強させていただきました.

ちなみにAmazonのレビューを見るとこの対話形式がウザいと思う方もいらっしゃるようです.確かに情報の充填密度は落ちますが,情報の流れを作る(制御する)という点では少なくとも著者にとっては書きやすい形式であることを今回実感しました.私はこの本はいい本だと思うんですけど,評価が割れているのはやはり人はいろいろということでしょう.医療統計の専門書ではなく岩波の科学ライブラリーの一冊ということを考えても難易度がちょうどよく書かれていると思います.

この本での先生役は佐藤先生ご自身なのですが,医療統計で高名な大学の先生ならともかくこの真似はわたしにはとてもできません.「あんた誰?」でしょうから.そういうところで出会ったのがオーム社から紹介いただいた大関真之(2017)『機械学習入門』オーム社です.この本の先生役はなんと魔法の鏡なんです.こちらの本も機械学習についての主要概念を学ぶのに良い本と思います.なぜ生徒が白雪姫のお妃様なのか(悪役ですよね)は,なぜしまりすが生徒であってしかも宇宙怪人なのかに通ずるものがあります.

この発想の自由さにヒントを得て,それならJMPくんに登場願おうとなった次第です.そのついでに章扉にもマンガをいれようと思い立ち,ネームは私が書いて原山さんに作画をお願いしました.マンガの落ちとしては不満はありますが,あまりふざけた話もかけないので,このレベルのものでご容赦ください.

それではまた.

統計的問題解決研究所

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