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ただいま校正中

覚え書き

書籍を出版する際の工程は,脱稿してからの方が大変だなとつくずく思っています.原稿を書くのはそれなりに楽しいのであっという間に時が過ぎてしまうものですが,その後に続く校正が苦手です.前著『統計的問題解決入門』のときもそうだったのですが,校正にかかっている今,精神的に疲弊しています.そういう事情なので,誰が読んでいるかもわからないブログでもあるし,今週は休載しようかとも思ったのですが,一度休載すると,そのままクローズしてしまうかもしれないので,なんとか駄文を書き連ねます.

二冊目ということで事情もわかりかけてきましたが,出版の際には著者と出版社とをDTPの出力紙が往復して,校正と修正を何度か繰り返します.原稿をもとに初稿を出していただいて,それに校正をかけたものが二稿,三稿と続いていきます.この過程で,だんだんと訂正箇所は減っていくのですが,タイポではない修正というのが必要になる場合もあります.

写真は校正に活躍中の私の赤ペン達

今回,どういうわけか「良い」と書いた箇所がすべてDTPで「よい」に変更されていました.おそらく,一般的なソフトの設定がそうなっていたのだと思うのですが,読みやすさに拘る私としては,譲れない変更です.例えば,「そのほうがよいならば」と「そのほうが良いならば」では脳への情報伝達速度が違うと思っています.「その方がよいならば」というのもありですが,「方」は色々と他に使う漢字なので(手法とか方法とか),この本に限っては避けたいかなと思ってます.文学作品ではないのでそこまで拘る必要はないのかもしれませんけど.(司馬遼太郎はページの位置で,書き分けていたと聞きますが.)

この( )の使い方も少し前に愚痴った記憶がありますが,文学作品ではないのでそこまで拘る必要はないのかもしれません(司馬遼太郎はページの位置で,書き分けていたと聞きますが).などという新聞表記はどうしても好きになれません.(それが主流だとはいえ.)せっかく文章が一度切れるのに,句点がないので息がつけないような感覚があります.

原稿では気づかなくても,紙で見ると漢字や逆にひらがなにしたくなる言葉は他にも多くあります.例えば,「もと」がそうです.漢字で書く場合には,使い分けが必要になってきます.「その基準をもとに」「その設定をもとに戻す」の両者の使い分けはお分かりでしょうか.前者では「基」,後者では「元」を使うのが良いと思います.そんなところに拘るならば本文の完成度を上げよなどという声が聞こえてきますが,一度脱稿したら大きな変更はしにくいのですよね.いずれにしても.漢字文化の特徴で著者がそこに情報を入れ込めば読者はそれだけ読みやすくなる,そう考えているのですが,皆様はどう思われますか.

校正の段階で,このような変更は修正入れさせていただいているのですが,既にMacで書いた原稿とはリンクが切れているので.検索置換ができないのです.DTPの方で検索置換していただくことも可能なんですが,これがうまくいかないことも多いのです.すべての新聞表記がよくないとは思っていなくて,体言止めするような場合は,例えば,...して実行(X1→目的変数).などというのはこの方が良いと考えてます.

結局すべてに目を通すことになるのですが,そうすると大事なことを書き忘れていたり,あるいは間違っていたことに気づいたり,まあ色々あるわけです.それが精神的な疲労を招くのです.大学の先生とも違って,平日の夜と土日しか時間が取れないものでこのところ非常にシビアな生活を強いられています.

というわけで,これから校正作業を続けますので,それではまた.

統計的問題解決研究所

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