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ROC曲線

覚え書き

今週もまだ校正でどたばたしております.この段になって,気づくことも色々あって,此の期に及んで泡食っています.前著でも出版後にいくつか修正入れさせていただきましたが,今回もこの場で修正をご報告するつもりです.できるだけそおようなことがないように校正を続けているわけですが,単純なタイポであればともかく,調査が必要な類も多いので苦労しています.いくつか例を挙げてみます.


ROC曲線のROCは,Receiver Operating Characteristicの略だと思っていたのですが,執筆中に念のために確認したところ,Googleでトップに上がっていた以下のページに,Receiver Operatorating Characteristic curveとあったので,そのように原稿に書いておりました.

ROC曲線 | 大阪大学腎臓内科 – 大阪大学医学系研究科・医学部

Operatoratingという単語は知らなかったので,変だなとは思ったんですよね.大学の医学部のページでそのような間違いがあるはずはないと信じて原稿はOperatoratingと書いていたのですが,ある方からご指摘を頂いて,自分でも統計学の教科書を参照するとReceiver Operating Characteristicとなっています.もしかしたら,医学系ではOperatoratingと呼ぶのかもしれません.というのも,藤本,岩﨑,山岨(2012),Equilibrium Res Vol. 71(6),ラバー負荷重心動揺検査による末梢前庭障害の予備的診断,という論文にもはっきりとOperatoratingと書かれています.おそらく査読もあるであろう雑誌に間違いがあるとは思えません,因みにこの雑誌ですが,「めまい平衡医学」という年6回発行されている耳鼻咽喉科分野の論文誌です.

悩みましたが,医学統計の本ではないし,その他の多くの文献に従って,Receiver Operating Characteristicを採用した次第です.それに私にはOperatoratingという単語は不明です.英語文献ではそもそも見かけないので,もしかしたら過去のタイポが日本の医学分野で生き残っている...なわけないですよね.どなたか事情をご存知でしたらお教えください.

そのほかにも適中率は的中率なのではないかというご指摘もいただきましたが,こちらは両方使われているということは知っておりましたので,原稿通り適中率のままにしてあります.日本語では的中が正しいのでしょうが,統計ではあえて日常語と違う言葉を使ったほうが良いと考えてます.それにニュアンスとしては適中率が雰囲気ですね.

その他に困ったことですが,原稿はMac版のJMPで書いていて,画面はWindows版でキャプチャしているのですが,Mac版とWindows版で異なっていること多々あるのです.例えば,これはなぜなのか不明ですが,データテーブルの新規作成はWindows版ではファイルメニューから「新規作成>データテーブル」ですが,Mac版ですと「新規>データテーブルの新規作成」なんです.後から修正しようと思っていて,それを忘れていました.GUIは仕方ないとしても,メニューくらいは統一して欲しいですね.これらに加えて,Windows版でもJMP14とJMP15でGUIの言葉に微妙な違いがあります.

というわけで,今晩はもう一仕事あるのでこれにて.

統計的問題解決研究所

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