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統計学

紅茶の話

11月1日は紅茶の日だったそうです.<a href="" target="_blank">ポッキーの日(正式にはポッキー・プリッツの日)</a>がその形状から決められたように,紅茶の葉を数字の1に見立てて11月1日と決めたのだろうと思っていたのですが,<a href="" target="_blank">日本紅茶協会</a>によると,初めて外国での正式の茶会で紅茶を飲んだ日本人と言われる大黒屋光太夫が,女帝エカテリーナ2世に接見したのが1791年の11月と記録されているからだそうです.別の記録によれば1791年6月とも書かれていますが,とにかく...
書籍サポート

等高線を読む際のヒント

紅葉の季節が近づいてきました.どこかに山登り(といっても本格的な登山ではないです)にでもいこいうかなと地図を眺めていて思ったことを本日は.「モデルのあてはめ」は実験データを表現する数式を導出してくれるJMPの代表的な機能です.ですから,モデルとは数式そのものを指しています.一方,モデルには日本語で模型という意味もあります.わたしはモデルを考えるときは常に模型のイメージを大切にしています.模型といっても,いわゆる工作模型の類です.応答関数の性質やその挙動を把握するのには実験データを仲介としてシステムを模型化するという考え方が重要です.この意味では,予測プロファイルよりも曲面プロファイルの方が直感...
JMP

中国のSummit(Discovery Summit China 2018)

いよいよ今年のDiscovery Summit Japan2018も来月に迫りました.わたしは今年もコミッティメンバーとして参加します.ここを読まれているかたで参加される方がいらっしゃいましたら,ぜひ当日声をかけてください.今年のユーザーセッションは全部で20ありますが,発表者の所属やタイトルからラフに分類しますと,アカデミック系が4件,薬学関連が5件,SASからの発表が3件,その他が4件で産業分野からの発表が4件となかなかバランスが取れているようです.AGC(株)旭硝子からの発表は要旨を拝見するに,純粋な製造分野のご発表ではなさそうなので(もちろん発表は楽しみにしてます),これを数に入れなけ...
統計リテラシー

統計リテラシー

「統計リテラシー」についてお話することが度々ありまして,以前よりネタを目にするたびに拾い集めています.「Stat Spotting」同様,趣味みたいなものですが,自らの「統計リテラシー」を鍛えるのに役立っています.といっても,話そのものは当たり前なので,わざわざブログに取り上げる意味はないのかもしれません.一月ほど前にNEWSポストセブンで拾った記事ですが,女性セブン2018年9月27日号によれば「自宅の蔵書多いと子供の算数の成績が上がる、新聞も重要」ということだそうです.全国の小学6年生と中学3年生の200万人を対象に,毎年実施されている「全国学力テスト」の2017年度版の結果が7月末に公表...
覚え書き

話術の話

今週は依頼を受けて某所で「統計リテラシー」のセミナーを開催しました.本来のわたしのスタイルは実験計画などの事例指導を兼ねて,自らも技術者の一員として一緒に問題解決に挑むというものなので,通常はセミナーなどを自主的に実施することはありません.もちろん,要望があれば,実習形式のセミナーでJMPの操作なども教えたりしていますが,単なるセミナーはあまりやりたくないのです.講演するならば他にもっとうまい人がいるし,そもそも人前で話すのが苦手だからです.よく「そうは見えない」と言われますが,いつも人前で話すのはとても緊張します. ロバート・ライト(2017)『なぜ今,仏教なのか』早川書房によれば,お釈迦...
覚え書き

暗黙知と問題解決

先週の続きを書こうとしたのですが,三週続くと飽きるので急遽話題を変えることにしました.そこで本日は「暗黙知」について解説します.元々は3年ほど前のJMPer’s Meetingで発表した際の配布資料で,(ページ数の制約から最終的に原稿からカットしましたが)『統計的問題解決入門』の第5講のオリジナル原稿の一部にもなっていました.それに少し修正を加えて以下に掲載します.暗黙知という言葉をご存知でしょうか?どこかで聞いたことあるという方も多いかと思います.「大事なことは言葉では表せない」というようなコンテクストで使われることが今の日本では一般的で,以心伝心とか拈華微笑などとも同意です.因みに,拈華微...
覚え書き

AI vs. 教科書が読めないこどもたち(その2)

先週の続きです.『AI vs. 教科書が読めないこどもたち』p73の表1-1は「10-20年後になくなる職業トップ25」というリストで,その第4位に「コンピューターを使ったデータの収集・加工・分析」があって.それを見た人からJMPを勉強しても無駄になるのか?と質問を受けました.日本人は本を読まなくなったとはいえ,売れている本の影響力はまだまだたいしたものだと思った次第です.さて,短い答えを先に言うと,これは誤訳です.この表の出典は松尾豊「人工知能は人間を超えるか」角川EPUB選書とのことで,更にその原典は先週も引用しましたC.B.Frey and M.A.Osborne (2013), "TH...
覚え書き

AI vs. 教科書が読めないこどもたち(その1)

本日は,新井紀子(2018)『AI vs. 教科書を読めないこどもたち』東洋経済新聞社について.少し前に読んでいた本なのですが,ブログに書くのを見合わせていました.迷った末にやはり書くことにします.というのも,この書籍のp73の表1-1に「10-20年後になくなる職業トップ25」というリストがあってその第4位に「コンピューターを使ったデータの収集・加工・分析」とあるのを見た人から「JMPを使えるようになっても将来は役に立たなくなるのではないか」と聞かれたからです.確かにIBMのWatsonはSPSSを使って統計分析をしますし,そのような懸念も出てくるかもしれません.でも,これには著者の勘違いが...
JMPではじめる統計的問題解決入門

MCDAアドインのアップデート

本書のサポートアドインであるMCDAアドインのアップデートについてお知らせします.不具合修正と同時に若干の改良が加わりました.不具合というのは最適化の条件がローカルに保存できないというものでした.これができないと様々な最適解(の候補)の比較検討(即ち,このアドインの目的である多基準の意思決定)がやりにくいのです.実はこの不具合には気づいたのは昨年の出版記念セミナーで発表したときのことでしたが,クリティカルな不具合ではないので修正はいつでもいいからと開発者に報告だけはしていたのですが,ようやく修正していただけました.今回,JMPのプロファイルにある機能を実装してもらえたので,赤三角メニューの設計...
覚え書き

疲れる話は続く

今週は泊りがけで出張だったのですが,隣の部屋の宿泊客の鼾で眠れずひどい目に合いました.もともと枕が変わると寝付けないたちなので予算ギリギリに広い部屋に泊まっているのですが,低周波の音には効果はなかったようです.フロントに聞くと隣の人は連泊されるとのこと.お願いして別の部屋に変えてもらい,翌日はことなきを得たのですが,当日は朝早くに目が覚めてしまって,なんとなくTVを見ていました.自宅にはTVがないので,ホテルに泊まったときなどつい珍しくて見てしまうのですが,早朝ですと通販番組くらいしかやってないんですね.アメリカに住んでいた頃はAs Seen on TVをこよなく愛していて色々な通販商品が自宅...
覚え書き

疲れる話

まだまだ暑い中でエアコンが故障してしまいまして,ダメ元でお願いしたら翌日には修理に来てくれたのですが,その晩は大変な目にあいました.寝不足でバテバテだったのですが,来ていただいた修理の方がわたし以上にお疲れの様子.聞いてみると,やはり今年の夏は大忙しのようで,その日も10件のお宅を回らなければばならないとか.冷却ガスのボンベを運ぶのも辛そうだったので,手伝ってあげたりしたのですが,あの様子では疲労のために作業効率も上がらないでしょうし,何かの事故に繋がらないかと心配してしまいました.本日は疲労について考えてみます.何らかの作業・活動をシステムと捉えたとき,その出力として疲労あるいは疲労感が考え...
覚え書き

フォローアップセミナーのフォローアップ

先日のフォローアップセミナーには,暑い中での開催にも関わらず多くの方に参加して頂きました.この場であらためて感謝いたします.今回は読者限定セミナーという性格から先着順にはしたくなかったので,SAS社の営業さんから開催案内をしてもらうことにしました.このためか,蓋を開けてみれば予想よりも業界が偏ってしまいました.今後,同じセミナーを別の分野の皆さん対象に広げていく予定ですので,その機会があればぜひおいで下さい.それと第5講を対象とした今回の続きのセミナーは必ずやります.今度はもっとゆっくり時間を掛けて,懇親会の場で公開事例相談などをやるという案も出ていますので,実現したらお互い有意義なイベントに...