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JMPではじめるデータサイエンス

JMPではじめるデータサイエンス

少し前から騒いでいた書籍ですが,いよいよ書店に並びます.『JMPではじめるデータサイエンス』というタイトルで,Amazonでは既に予約可能になっています.データサイエンスとありますが,機械学習の本ではなく前著『JMPではじめる統計的問題解決入門』よりも広範囲のJMPユーザーを対象としています.本書については,書籍がリリースされてからこのブログであらためて紹介する予定です.来週のDiscovery Summit Tokyo 2019に参加なさる方は,即売も予定されていますので,どのような書籍なのかぜひ覗きにきて下さい.特別価格で少しは安く買えるはずです.おそらく,そんな人いないと思いますが,サイン対応も依頼されているので,一応愛用のペンを持っていきます.今回もJMPくんを描いてくださった原山さんもおいでなので,JMPくんのイラストも描いてもらえるかもしれません.Summitに行けないという方々も,一度書店で手にとって頂ければありがたいです.

書店といえば,先日,名古屋JR高島屋にある紀伊國屋書店の統計本コーナーで時間を潰していた際に観察したのですが,統計ソフトに関する本では圧倒的にRの本が多いことを再確認しました.エクセルももちろん多いのですが,統計ソフトとは認識されていないらしく(それは正しいのですが)統計ソフトのコーナーにはまとまっていませんでした.Rに関する本は量としては,ほぼ棚の二段を占めていてその他のソフトを圧倒しています.その次はSPSSでしょうか.およそ棚半分程度.そして我らがJMPの関連書籍はたったの4冊でした.長田先生の本が見当たらなかったので,もしかしたら医療統計の棚が別にあるのかもしれません.

いずれにしても合わせて5,6冊程度でしょう.そのうちの1冊が『JMPではじめる統計的問題解決入門』だったのは少し嬉しかったものの,やはりまだまだ日本ではJMPユーザーが少ないのかなと少し残念にも思った次第です.相関関係と因果関係は別物ですから,もちろん,本が少ないからユーザーが少ないとは限りません.マニュアルが充実しているから書籍の必要がないのかもしれません.とはいえ,本が少ないからJMPが敬遠されるという要因も確かにあることは色々な方とお話ししていて感じています.今回,少ないJMPの書籍に1冊を加えられたことは『統計的問題解決入門』の読者の皆様のおかげです.前著が全く売れなければ二冊目もという話はなかったと思いますので.改めて皆様に感謝いたします.

それにしても,R関連の書籍の多いこと.実は今回の本も当初JMPでなくRでというプランもあったのですが,オーム社の意見では「Rの本はいっぱいあるから,JMPの本はもっとあってもいいと.」とのこと.確かに,オーム社には『Rによるやさしい統計学』という山田先生の名著があります.10年くらい前の本なのでバージョンが少し古く(確かver.2.6),当然ながらRStudioに言及されていませんが,今だによく売れているそうです.私の中ではRは比較するならばMATLABです.ある程度のプログラミングの素養がなければ使いこなせないと思うんですが,特に儲かっていない一般企業がフリーのRと比較するとJMPの敷居は高いでしょう.価格という要素は確かに大きいと思います.

とはいえ,価格という面ではSPSSとの差は大きいとは思えません.SPSSはサブスクリプションが月額税込で15000円程です.これだけでもJMPより高いように思いますが,実はこれには更にhidden costがかかります.サブスクリプション版には様々な機能がアドオンで提供されていて,それらなしにはロジスティック回帰もできないのです.一部JMP Proにのみ実装されている機能もあるので一概に比較はできませんが,すべてのアドオンのサブスクリプションも入れると月学で5万円を超えます.ユーザー一人当たり年額で60万円.おそらく人数が増えれば安くなっていく料金体系にはなっていると思うのですが.

大学や企業向けの商用ライセンスなので,これを高いと感じるか安いと感じるかはその会社の考え方次第です.少なくとも,IBMはこの値付けで商売していけるわけなのですから,そこに価値があると考えている会社もたくさんあるということです.SPSSよりリーズナブルな価格のJMPが,なぜ関連書籍の数で負けているのか.色々な要因があるとは思いますが,JMPユーザーの端くれとしてこの状況を変えていこうと思っています.実は,この次の執筆にも取り掛っています.

それでは,Discovery Summit Tokyo 2019にいらっしゃる皆様.会場でお目にかかりましょう.書籍に関する質問やご意見あれば,ぜひ声をかけてください.

統計的問題解決研究所

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