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Stat Spotting

覚え書き

先日のStat Spottingカテゴリーの記事で,そもそもSpot Spttingとは何かについてお話しするのを忘れていました.Stat Spttingとは私の知る限りでは,Joel Best(2008), Stat-Spotting: A Field Guide to Identifying Dubious Data, University of California Pressで最初に使われた言葉のように思います.今調べたら日本語訳も出ていました.ジョエル・ベスト (2011),林大 (訳)『あやしい統計フィールドガイド―ニュースのウソの見抜き方』白揚社です.翻訳者はタイトルを訳されるのに苦労なさったと想像しますが,Stat-Spottingをそのまま訳すのは避けたようです.

イギリスというかスコットランドを舞台とした有名な青春(といっては陰鬱な)映画にユアン・マクレガー 出演のトレインスポッティングがありました.(そういえば続編の「T2 Train Spotting」が今年公開されましたね.)現地の鉄道操車場跡に薬物中毒者らが集っていたことから,彼ら不良のことをTrain Spotting(鉄道ファン)と現地のスラングで呼んだということをどこかで読んだ記憶があります.Spottingのそもそもの意味は偵察ですし,レーダー探知で敵を発見したときなどもSpottingと言います.電車を見ると目がついそちらに行ってしまう,いわゆる鉄オタ趣味のことをTrain Spottingというのですね.

というわけでStat Spottingは直訳すると統計(情報)の偵察とでもいいましょうか.あるいは統計で偵察するというのでも意味としては良さそうです.具体的に何を偵察するかというと,統計的に表現された世の中の(ときとして怪しげな)言説や報道及びそれらに使用されているグラフなどの統計情報をチェックするのです.TVや新聞等のメディアだけでなく電車の吊り広告などもStat Spottingのターゲットになります.世の中を見回してどこかにこのようなターゲットがないかを探す趣味がStat Spottingなのです.

Stat Spottingを趣味とする人は世の中にたくさんいらして,私もその一人なのですが,ちょうど今Spttingした広告に関する論文を読んでいるところです.近いうちにStat  Spottingのカテゴリーで紹介したいと思います.

それでは.

統計的問題解決研究所

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