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イノベーションの失敗

統計的問題解決

いつもいきあたりばったりに日曜ともなるとブログ書いてます.ブログなんだからそれでいいとは思うけど.あ,書籍サポートと個人ブログは分離するという方針は変わってません.どこに移そうかまだ思案中.

それで,いつもそのときの雰囲気で書いてるから,先週この続きを書くよ,と言ってたのをすっかり忘れたりしてます.そういえば,「JMP超入門始めました」なんてエントリーを昔書いていて,これもすっかり忘れてました.たまにアクセスログをみることあるんですけど,今日見たらけっこうアクセスがあって思い出した.

すっかり忘れてまして申し訳ないです.どこかのタイミングで継続しようとは思ってるけど,JMPのチュートリアルが超入門と言えなくもないから,屋上屋を架すのもね.それと,これもいつか書いた記憶があるけど,STIPSに関連したセミナーをやってくれとSAS社から依頼を受けてまして,時間を費やすんなら,このほうが自分としては面白いとも考えてる.

という枕はさておき,先週イノベーションについて書いて,典型的な失敗例を思い出したから来週お目にかけますというのは覚えてますよ.それはこれです.

知ってる人は多くないかもしれないけど,AppleのNewtonというPDAです.正確にはMessagePadという製品名でNewtonはOS名称だったんですけどね.これはMessagePad120という4番目にリリースされた機種です.1993年の初代は700ドルだったけど,今でも中古で100ドル程度で売られているって,値崩れしなさすぎですね.

日本でオフィシャルに販売開始されたのが,このMessagePad120からです.この素敵なデザインは,あの初代iMacに始まりiPhoneをデザインしたことで有名なあのジョナサン・アイブが手掛けてます.本体に伸縮式のスタイラスが収納出来るんだけど,それのデザインもいいんです.

商業的に失敗だったのは有名で,当時はアメリカに住んでいたけど,通販で投げ売りになってました.だから記念に買ったんですけどね.その当時はまだ開発は続けられていて,MessagePad2000という機種が出てたけど.そちらは10万円以上したから記念というには高くて買えなかった.

世界初のPDAとして手書き認識機能を実装していたから,まさにイノベーションだったわけだけど,失敗作ではありました.手書き認識の精度が実用的でなかったことがよくあげられるけど,個人的には何よりも重くて嵩張ることが問題だった.ポケットには入らないから,カバンに入れるのだったらMacBookと変わらないです.中途半端な大きさですよね.

原点である道を見て,パレートフロントを前進させることの意義について先週触れたけど,原点にあるものは問題解決であることを忘れてはならないです.だから,技術者は常にそこに困っている人が見えなければならないはず.MessagePadの開発もこのことを忘れていなければ,より軽く進化する方向に進めたでしょう.Appleって,自己満足の製品を作ることでも有名だからね.あの円形マウスなんて酷かったな.

とはいえ,iPhoneのルーツを見出すこともできるから,やはりすごい製品ではあったとは思います.インターネット黎明期でもあったから,まだハードをサポートするサービスも成熟してなかったという事情もあります.禅語で「啐啄同時(そったくどうじ)」というのがあります.いつか書いた記憶があるので,検索したら出てきました.なんかリンクがうまく貼れてませんが,「転んでも只では起きぬ」という記事です.

イノベーションもタイミングが重要なんですね.そしてその時が来るのをただ待つだけでなく,外堀を埋めておくことも必要です.iPhoneの成功も,iPodがなければどうなっていたことやら.

言葉足らずで色々いい足りないことがあるけど,本日はこれにて.



統計的問題解決研究所

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