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2点訂正します

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雨の日曜日.表で働いている人には申し訳ないと思いつつも,なんか落ち着きます.こういう日はじっくりと読書でもしましょうかか.

さて,先週パラレルプロットはいいよ!って記事を書いたけど,今週はその続きを書きます.というのも,『JMPではじめるデータサイエンス』の間違いを訂正しなくてはならないので.先週も触れたけど,確認できたのでp174の一番下のJMPくんの台詞を以下のように訂正します.

誤「グラフ上の折れ線のすべてをドラッグで選択してから,『表示』のチェックを外すんだ.」

正「グラフ上の折れ線のすべてをドラッグで選択してから,『表示』と『含める』のチェックを外すんだ.」

JMP15では,こんなふうになってるはずです.書籍には7行残せって書いてあるけど,8行でも問題ありません.範囲をドラッグ操作すると8行残すのが簡単だったので.

補足が必要ですよね.「多変量」の赤三角メニューから作成する「パラレルプロット」は多変量の相関の計算を経て出力ます.そして,これらの変数は標準化されてます.単位が異なる変数同士を比較するにはそのほうが理にかなっている.ここで「ローカルデータフィルタ」でフィルタリングするとき,自動再計算しているというのがポイント.従って,「パラレルプロット」も再描画されるので,軸のスケールが変わってしまうんです.だから,『表示』のチェックを外すとこのようになってしまう.

この例題では,全条件の中でのフィルタリングされた条件の挙動を見たいので,これでは不味いんです.フィルタリングして残った線を選択してから,再度その変数をいれて再描画する必要がある.そのためには,ローカルデータフィルタの『含める』のチェックを外せばいい.『含める』のチェックは「除外する/除外しない」を意味するのは知ってるよね?(因みに『表示』は「表示しない/再表示」に対応.)英語ではそれぞれ「Show」と「Include」となっているから,訳は正しいんだけど,少しわかりにくいですよね.名詞と動詞が混ざっているから,『表示』は『表示する』としたほうがいいと思うけど.どうでしょう?

どうやら執筆時にはグラフメニューの「パラレルプロット」を使ってしまったようです.こちらを使うと『含める』のチェックを外さないでもこのように描けます.

それでこのことに気付かなかった.申し訳ないです.グラフメニューの「パラレルプロット」は純粋なグラフだから,ローカルデータフィルタで再描画はかからない.だからそもそも『含める』のチェックは意味ないんです.除外しようがしまいが,すべての線が描画されます.実は「グラフビルダー」で「パラレルプロット」を描いても「多変量」と同じ挙動になります.「グラフビルダー」ってグラフを描く機能というよりは内部的には統計計算しているからですね.

ついでにもう一つ訂正しておきます.p163の1行目から6行目ですけど,これ直前の分と重複してるので削除してください.これはおそらくDTPのミス.初校で変な位置に図を入れられてしまって,すべてやり直してもらったんだけど,おそらくそのときに起こったミスに気付かなかった.

変な位置といっても,理系書の標準らしくて図番があればまだよかったんだけど,この本には図番がないから,まったく意味不明になってしまったんです.私はどうも図番が嫌いです.目の流れを妨げて読者にページをあっちこっちめくらせるというのがね.そういう時代じゃないと思うんだけど.

以上2点訂正して,お詫びします.

本日はこれにて.それでは.

統計的問題解決研究所

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