77. ジャイアント

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みつばち漫画みつばちさん:77. ジャイアント

人間の都合で持ち込まれた外来種の西洋蜜蜂が野生化して在来種の日本蜜蜂を駆逐してしまわずに済んでいる理由の一つとして、病害虫の他にオオスズメバチという天敵の存在が挙げられます。共に進化して来なかった西洋蜜蜂は、いきなり現れた強大な敵の前に、なすすべもなく突撃して全滅してしまいます。

すると日本蜜蜂にとってオオスズメバチは天敵でもあり保護者でもあるような微妙な位置づけであるとも言えます。西洋蜜蜂は蜜枯れの季節になると日本蜜蜂の蜜を底を突くまで徹底的に盗む性癖があり、花や住居を巡る競争の他に群れを滅ぼすほどの直接的な脅威でもあるのでなおさらです。

オオスズメバチは日本蜜蜂の群れと見れば手当り次第に襲うわけではなく、いずれ倒れてしまうような弱い群れから襲っていくのも、もちろん自軍の犠牲を最小限にするためですが、淘汰の意味もあり、自然の中に生きるものは全てそうですが、役目を持って大きな絵の一部をなしている存在なので一概に悪とは言いきれません。お面のような頭部は、いつ見ても禍々しくておっかないですが。

人間を刺した場合の被害が甚大で毎年命を落とす人もいるので恐れ嫌われるのは当然ではあります。でも普通に歩いていて刺されたケースは災難なので同情しますが、キノコや木の実を探して山に入り、道をそれること自体がいろいろ危ないのでやめた方がいいのになーとも思います。

漫画の中でオオスズメバチさんの言葉が古風なのは、広く外に営巣場所を拡大して勢力を伸ばした蜜蜂や他のスズメバチと違い、今も地中に巣を作るので文化も古式ゆかしいような気がするからです。

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