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統計学

統計学

紅茶の話

11月1日は紅茶の日だったそうです.<a href="" target="_blank">ポッキーの日(正式にはポッキー・プリッツの日)</a>がその形状から決められたように,紅茶の葉を数字の1に見立てて11月1日と決めたのだろうと思っていたのですが,<a href="" target="_blank">日本紅茶協会</a>によると,初めて外国での正式の茶会で紅茶を飲んだ日本人と言われる大黒屋光太夫が,女帝エカテリーナ2世に接見したのが1791年の11月と記録されているからだそうです.別の記録によれば1791年6月とも書かれていますが,とにかく...
覚え書き

『データ分析の力』

先日,Amazonの本書のページを見た際に「この商品を買った人はこんな商品も買っています」というところを興味深く拝見しました.どのような人が本書を読んでくださっているのかのイメージが掴めます.JMP関連の本がほとんどという中で目についたのが伊藤公一朗(2017)『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』光文社新書です.ビッグデータのデータ分析という多くの方が興味を持つ分野の本であり,新書なので気軽に買える値段ということもあって多くの方々に読まれているようです.レビューも高評価なので,私も読んでみました. 著者によれば,因果関係の見極め方を計量経済学の観点から解説した本とのことですが,データ分析...
覚え書き

使うための統計とは

昨日に続いての呟きです. 本書のタイトルには統計的とついているので,統計が勉強できると思った人は当てが外れたら申しわけないと思っています.「統計を知らなくても,統計を使って問題解決に挑もう」という趣旨で書いた本なので,統計の説明はしていません.統計学を勉強するには時間も労力も費やさなければならないのは他の学問と同じです.統計学を日常的に使う必要のある医療関係やデータ分析関連の業務に従事されている方々であれば,それは必要なことと諦めるしかありません,しかしながら,本書が対象としている一般の技術分野の皆さんには,最初に統計学の勉強に取り組むことで息切れしてしまい,本業の勉強が疎かになったり肝心の問...
覚え書き

あの人の統計リテラシーはいかほどのものなのか?

このブログのカテゴリーに「Stat Spotting」というのを設けてあるのですが,まだ一本も記事がないのでこのカテゴリについてちょっと書きます.と言っても,本日は池上彰,佐藤優(2016)『僕らが毎日やっている最強の読み方』東洋経済新報社</a>書籍のレビューのようになってしまいそうです. 「読み方」と題名にありますが,ここで公開されている手法・方法は特にユニークなものとも思えませんので,ハウツー本というよりは著者の知的活動の一端をファンに公開するといった類の本です.お二人とも新聞や雑誌,更には書籍等から大量の情報を仕入れていて,書籍の中ほどにそれらのリストが綴じ込んであります...
覚え書き

再現について思う

このブログを見ている人はまだいないと思うと,何か星空を眺めてつぶやいているという孤独な気持ちです.とはいえブログ書きの練習の意味もあって雑文を書きます.週末に定期的にアップしようと思っていたのですが,そうするといざ書こうとしても書きたいと思っていたことを忘れてしまっているので,思いついたときに書くことにしました. 「統計的問題解決入門」ではテーブルの結合(join)と連結(concatenate)について,日本語ではそれらの言葉の使い分けが曖昧であることを指摘しました.その他にも,計測不能という言葉も英語のimmeasurableとunmeasurableという使い分けがそもそも日本語にない...
覚え書き

ページ数の制限に苦しむ

原稿を書き終えてから気になっていた箇所が色々とあって,それらに手を入れたりしています.書籍という媒体にはページ数という制限があることを今回今更ながらに思い知りました.どこで見切りをつけるのかが悩みどころです.「JMPではじめる統計的問題解決入門」は300ページを少し超えるくらいになりそうですが,栗原伸一(2011),『入門統計学』,オーム社が319ページですからほぼ同じくらいのページ数なので類書の中では標準というところでしょうか. 書籍にはページ数という制限があって,その中で厚い本薄い本いろいろあるわけですが,言語や国によっての違いもあるようです.アメリカに比べて日本の本は比較的薄いように思...
覚え書き

大学生ミライの因果関係の探求

このブログではときどきは書評も書いていこうかと思っています.本日はこの本. 小塩真司(2016)「大学生ミライの因果関係の探求」ちとせプレス 早稲田大学文学学術院の小塩先生が書かれた統計学の参考書で,「ストーリーでわかる心理統計」と表紙にかかれている通り心理学を学ぶ大学生を主人公にした物語です.ストーリでわかるということに興味を惹かれたので読んでみました.ネタバレはしたくないので詳しくは書きませんが,ミステリーっぽいお話しが織り込まれていて,確かにストーリー仕立てにはなっています.前作もあるようですが,そちらは読んではいませんが,おそらく好評だったので今回第二作目となったのでしょう. 一つ...
覚え書き

統計学の用語はなんか変?

その分野を新たに学ぼうとするものにとって用語は大変重要です.ほとんどの学問が西洋から入ってきた日本では,用語を訳するのに先人は大変な苦労をしたものです.オランダ語で書かれた解剖学書の「ターヘル・アナトミア」を翻訳した前野良沢・杉田玄白の悪戦苦闘は有名ですね.江戸末期から明治にかけての学問の世界では,自らの勉強だけでなく,その学問を後の世のものに伝えるために用語を作る必要がありました.この当時の先輩たちの努力をわたしたちは受け継いでいるのです.物理や自然といった抽象的な言葉では漢字固有の造語能力が活躍したのは言うまでもありませんが,個々の学問分野に固有な用語にも先人の工夫を感じることが多々ありま...