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大阪都の投票について再び

JMPではじめる統計的問題解決入門

先週は大統領選挙の話をしたと思うけど,そのとき思い出したのが先日の大阪都の投票です.正式には何て呼ぶのかなと思って調べたら「大阪市を廃止し特別区を設置することについての投票」とのことです.どちらの投票もコロナ感染の状況下で実施されたんだけど,大統領選挙はともかく大阪都の投票ってそこまで急ぐ必要あったのかな?そそもそも,大阪都って言葉がミスリーディングだよね.賛成多数になっても大阪府のママなんだから.

『統計的問題解決』では前回2015年の投票結果から書かれた記事をもとにして,データの可視化と視覚化について,p55(第3刷)の「やってみよう」で取り上げました.過半数が賛成か反対かで色分けすると,くっき理とした南北の境界は,https://ja.wikipedia.org/wiki/大阪市を廃止し特別区を設置することについての投票でも見ることができるね.人間の目はガボールフィルターの働きで輪郭に敏感にできているから,このような図形に興味を惹かれるということですね.そして私が見つけたこの発見は何か重要な意味があるはずだと思ってしまう.このことを利用して,メディアがクリック数を稼いだりもしているし,それよりも問題なのは自分が自分を騙すということなんでした.

今回の結果をグラフにするには,「やってみよう」と同じ手順を適用すればいいんだけど,書籍を見返して間違いに気づいてしまった.p55の6行目のファイル名が「大阪市-Name.jmp」「大阪市-XY.jmp」と書いてあるけど,サポートファイル名はそれぞれ「Osakashi-Name.jmp」「Osakashi-XY.jmp」になってます.それだけの違いで手順はそのままでいいんだけど,すいません.因みに,JMP Proでは「JMPPro」というフォルダになります.

さっそく,Wikiからデータを取り込んでみたけど,変数名が変わっているので注意が必要ですね.「やってみよう」の手順どりで問題なくこのようなグラフが描けました.

前回同様南北で差は見えないですね.前回との賛成率を比べるとこんな感じ.賛成が増えてるところも減ってるところもある.賛成率で比べたのは,この投票がオプト・インだから.賛成を自ら意思表明しないと現状は変わらない.もちろん,賛成多数になったらまずいと思った人は反対票を投票しに行ったのだから,そこに意思がなかったわけじゃないけど.

賛成率の差に地域差があるかと思って同じようなグラフにしてみたけど,傾向はみえないかな.強いてあげれば,中央の区に賛成率が減少したところが多いようには見えます.隣り合った区で差の傾向が異なってるところがあるけど,例えば港区と大正区とか.この二つは特別区の区割りが異なるんだけど,阿倍野区と天王寺区なんかはどう考えればいいのか.

実は「特別区として名前が残る区では賛成が増えているんではないか」という仮説をもってたんですけど,淀川区,北区,中央区,天王寺区と縦に4つ並んだ区の色を見ると赤,青いろいろ取り混ざっててよくわからなくなりました.データの前であれこれ考えるのは楽しいものだけど,続きはまた今度にしときます.それでは.

統計的問題解決研究所

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