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いよいよ次は日本

JMP

オフィシャルにメールが来ましたね.それならここでお話ししてもいいかな,ということでSumit Americasの次はJapanですよ.日本では二日間の開催で,ライブセッションとオンデマンドセッションに分かれてます.ライブと言っても,収録動画をリアルタイムに配信するわけで,本当の意味ではライブじゃないと思うけど,この機会を逃したら見れないという点ではライブです.特にソールさんの講演は必見.USのサミットでは,JMP16についての情報も発表されていたので,日本でも同じような紹介があるんじゃないかな?お申し込みはこちらから.
https://discoverysummit.jmp/ja/2020/japan/home.html

それで,先日予告した通り,オンデマンドの口頭発表に出ます.
https://discoverysummit.jmp/ja/2020/japan/more/abstracts.html#口頭発表

ここをみればわかるように,「関数データエクスプローラを用いた面内分布の設計」というタイトルです.難易度は今見るとLEVEL: 3 になってる.ううむ,Proの機能を使うという意味で上級者向けというところにチェック入れたんだけど,LEVEL3って,他の人では高橋先生くらいしかいない.完全に浮いてしまった感あり.まあ,そんなに難しい内容じゃないと思うので,よかったら見てくださいな.発表内容は,そこにも書いてあるけど,ここに抜きだしてみる.

2017年Discovery Summit Japanで「JMPで自在に面形状をつくる」と題した,面内分布の設計手法について発表した.その際,今後の課題として高次多項式モデルへの拡張をあげた.本発表では,JMP Proに実装されている関数データエクスプローラを用いて,更に高度な面内分布の設計手法について紹介する.2017年の発表の一部も併せて紹介することで,面内分布の設計手法についても概観する.

他の人と比べて文章が短いって?はい,そうです.今回,急遽発表することになったので,申込用紙に記入する時間がなかったのですよ.この場で補足します.当時の発表を聞かれた方もいるかもしれないけど,3年前のサミットでは,膜分布をX軸方向とY軸方向との2つの2次多項式モデルで表現して,それをもとに設計するというアイデアを紹介しました.実は,このとき膜の周辺部のデータをカットしてたんです.捏造したわけではなくて,手法説明のためにデータを作ったのだとご容赦ください.

それというのも,そのデータの膜分布は2次式じゃうまくモデリングできなかったから.特に,半導体では母材(いわゆるウェハというやつですね)の周辺部が大切.電解メッキでは,精度良く電場をシミュレーションできし,奥の手とし,母材に手を入れることができるけど,半導体ではどちらも難しいというかできない.その発表以来,いつも周辺部もうまくモデリングできたらと思ってた.応答関数を繋ぎ合わせるというアイデアはあったけど,どこで繋ぎ合わせるかがとても難しい.直球勝負するなら,4次の多項式モデルが必要になるんだけど,係数を計算するのが大変すぎてJMPの仕事じゃないという感じになる.それに5つも係数が得られても困るんだな,これが.なぜかというと自分のテーマが「解から理解へ」ということなので,モデルが得られてもそこから何らかの知見が得られなくては面白くない.

そこで今回「関数データエクスプローラ」略してFDEを使ってみたわけ.詳しくはサミットで,ということなんだけど.リアルタイムの発表と違って,聞き逃したりメモできなかったなんてときは,停止ボタンをクリックすればいいので,時間も足りな買ったので,かなり急ぎ足でビデオ収録しちゃいました.今回,気付いたんだけど,一人で話していると,それはそれで上がりますね.USの人々のようにもっとリラックスできればいいんだけど,あちらの人の発表と違って,手が忙しいのでその余裕がないです.後半は時間の都合でいくつか端折ってしまったけど,その部分はそのうちこのブログで補足しようと思ってます.

今回はじめてFDEを使ったんだけど,すごい面白いです.このプラットフォームはFDA(Function Data Analysis)という理論を実装したものだけど,前処理から主成分分析との組み合わせにいたるまで,プラットフォームとしてとても丁寧に作りこまれている感じ.分布を関数主成分で表現したプロファイルを1枚貼っときます.

データを関数に近似するのにBスプラインなどの補完方法を使うのだけど,事細かく設定できる.どういうデータに適用するかによって,ここら辺の設定を最適化する必要がありそう.かといってデフォルトのままでも十分いけるというのが,いかにもJMPらしい.大変気に入りました.もっとFDEを極めていこうと思ってます.

それでは,また.

統計的問題解決研究所

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