僕とサブローちゃんが統計の本になりました!

腰抜け騎手に誰がした?トラウマ追跡漫画[ウィッチャー3]

それはウィッチャー3序盤でのこと。「貴重な積荷」という、それはサブミッションだった。化け物に襲われて馬と大事な荷物を失ったと意気消沈する商人に頼まれ、不気味な沼地で現場を調査。何かおかしい。生きながら食われたはずの馬はそこに倒れているし、さらによく見ると矢が刺さっている。確かに沼地には雑魚怪物ドラウナーがいたが、あいつらに矢を射るような文化はないはず。おかしい。

そういえば「商人」は目立つ大弓を背負っていたような。もしやアイツが荷馬車を襲った張本人で、化け物に囲まれて回収が困難になった獲物をウィッチャーに取って来させようと自分を被害者に作り話をでっち上げたか。そうは問屋が卸さねえ。このように情報を小出しにしてプレイヤー自身に考える余地を与える加減が、実に絶妙でうまい。面白くなってきやがった!と、ドキドキしてくる。

鼻息も荒く商人のところにとって返して問いただすと、なんとヤツは身を翻し、逃げ出した。そして馬に跨って街道をみるみる遠ざかる…。逃げるとか、やっぱり真っ黒じゃねーか!この嘘つき野郎、逃がすかあ!愛馬ローチで追跡だ!盛り上がって参りました!…と思ったら、なんか乗り損なったんだな。その時だ。自分の中で何かが崩れた感触があった。と同時に頭の中に呑気な曲が流れ、僕はコントローラーを投げ出したのだ。

もうこりごりだ。そう思った。

問題のサブミッションはサブローちゃんがリトライして簡単にクリアしてくれた。選択肢の幅が広い割にはコンパクトで、さりげなく次の目的地へ導いてくれる、ウィッチャー3らしい良イベントだった。追跡そのものは、サブローちゃんの腕前が僕より上というのを差し引いても、難易度が高そうには見えなかった。なのに自分は1度たりとも頑張らず、貧相な自称商人にも指差して笑われそうな勢いで逃げ出した。自分に何が起こったのだろう。

ローチに乗り損なった時、確かに時のオカリナ※のロンロン牧場を思い出した。あの悪夢の競馬を。嫌な思い出ではあるが、それが今なお自分のゲーム人生に深い影を落としていることに軽くショックを受けた。ちなみに自分は自他共に認めるゼルダ信者なのだ。だからなおさら驚いた。これまで扉を固く閉めて忘れていた忌まわしい記憶が、ふとしたきっかけで噴き出した。これを再び封じ込めるのか、対峙して解消するのかの決断の時が来た。そう感じた。

続く

※時のオカリナ…名作の誉れ高い昔のゼルダ(NINTENDO64)。ロンロン牧場はシリーズ中初登場のエポナと出会う意義深い場所。しかしエポナを手に入れるには不愉快なレースに勝たなければならない。

腰抜け騎手に誰がした?貴重な積荷から始まるトラウマ追跡漫画
ウィッチャー3は悪くない。昔のゲームのせいなんだ…

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