僕とサブローちゃんが統計の本になりました!

スカイリム漫画日記・禁忌の扉

何かと自由なスカイリムを遊んでいると何かと決断を迫られます

帝国軍に入るか、はたまた反乱軍か、無所属を通すかというような大きなものから目の前で繰り広げられる子供たちの鬼ごっこへの参加・不参加のような素朴なものまで、実にいろいろです。

圧倒的な数のサブクエスト、サイドクエストに取り組むかどうかも自由なので、その内容も少しずつ、しかし確実に過激になっていきます。不法侵入、スリ、文書偽造、泥棒、サギ、ケンカ、暗殺、食人…

ビックリしましたか?僕はしました。二度見しました。もちろんイヤなのでスルーなのですが、そんな僕の中に葛藤が芽生えました。

なんでこんなクエストが?
やるヤツいるのかな?
クリアするとどうなるんだろう?
悪いヤツならいいか?
何をもらえるかだけ見てリロードしてみようか?

みるみる自分の中の敷居が下がっていきます。結局気持ち悪くて無理でしたが、そういう自分にホッとしたかもしれません。

しかしスカイリムの荒れた大地と荒れた人々は追撃の手を緩めません。二人のどちらかが嘘をついているのは明らかなのに決め手が無いまま一方を殺すハメになったり、狼男にされそうになったり、盗賊ギルドに勧誘されたり、暗殺集団にスカウトされたり。どんどん心理のギリギリまで攻めてきます。

でも重要なのは、いつでも最後は自分の選択によって決まることです。そして決断の責任を取らなければなりません。そして、多くの場合で明らかな正解がありません。

従って、プレイヤーは自分の心と向き合わざるを得なくなります。正義の人として生きるのか、ゲームなんだからいろいろあり得ないことを楽しんでみるのか。でもゲームだからと無実の人を殺して楽しいのか。そもそも正義とは、良心とは、倫理とは、何だっけ?

そうです。スカイリムの洞窟を探検しているつもりで、いつしか僕は自分の心の中を探検していたのです。それも奥深く。先が見たくて胸糞悪いながらも盗賊ギルドと暗殺組織のシナリオは完走してみましたが、親しい人を騙して生贄にするというサイドクエストはロードしなおす前提としても無理でした。

他にも狼男体験は楽しめずとも耐えましたが吸血鬼はダメ、など自分の心の中の鍵のかかった扉の位置とそれぞれの錠前の強さを次々と発見しては驚かされました。何というクラインの壺でしょう。

ある役を与えられてその人生を体験してみるという、今のRPGの了解事項となっているロールプレイではなく、ある世界に入って自分の決断と行動で自由に人生を生きていくという、心理学の実験や精神医学の治療で使う「ロールプレイ」に近いロールプレイを体験させてくれるこのゲームは、テーブルトークRPGの精神を受け継いでいるのかもしれません。

そう考えると、このゲームの成長システムが繰り返し行う行動が上達していく体験習熟型であることが納得できます。

勘違いしないでほしいのですが、僕はどっちが優れているとも言っていないし、思ってもいません。前者も大好きです。前者の傑作なら最近ハマったゴッド・オブ・ウォーとかホライゾン、ドラゴンエイジがパッと頭に浮かびますが、そのいずれも小物な僕の判断や決断では、あんなすごいドラマは体験できませんから。それは絶対。

でも一方で、スカイリムのように一見ドライで地味な世界を一歩一歩自分の意志で、その意味ではとても濃い人生を歩いていくことにも全く別の楽しさがあります。つまり、どっちも必要です。ホライゾンの新作が出たらPS5を買う予定ですし、スカイリムの次の作品も待ち遠しいです。

そういう意味で、前者が娯楽小説なら、後者は、もしかしたら純文学に近いと言ってもいいかもしれません。純文学とは、ただストーリーを追って楽しむというよりは読み手の心の不意を突いて常識や思い込みを砕き、考えさせるものですから。

このゲームが成人指定なのは、首を撥ねたりするからかなーと思っていましたが、実は人格形成途上の子供が遊ぶと殺人や窃盗その他の犯罪行為やもっと恐ろしい食人などの異常行動に抵抗が無くなったりする危険があるかもしれないと思うようになりました。それほど人格の芯になっている部分が揺さぶってくると感じました。こわいこわい、だがそれがいい。

スカイリム漫画日記・禁忌の扉
サブローちゃんは猛禽だもんね..

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