デザインを変えました。しばらくあちこち変かもしれません。

[ホロウナイト]頼れる兄貴・クイレルさん(ネタバレ注意)

最近『ウームーの逆襲』で助太刀に現れたクイレルさんを描いていたら改めて動きスゲー!と感動し、そういえば重要人物すぎて却って今までまともに扱ったことがないことに気づきました。アニキの果たしてくれた役割と心情的に支えてくれたことの重さを考えても、これはフェアじゃありません。今日はクイレルさんについて語らせてください。

クイレルさんといえば、最初の出会いは黒卵の前。その時はハロウネストの不思議に惹きつけられた気楽な旅人の一人であるように見えました。黒い卵に興味を持っていますが、自分が頭にかぶっている笠が入り口にある3つの紋章の1つに酷似していることには気付いていない様子。

クイレルさん1

しかしその後訪れた先々で話を聞くたびに、いつも温かく話しかけてくれる、ほっとする相手というだけの存在ではない、彼の不思議な境遇が少しずつ明かされていきます。どうも記憶を失っているらしいのです。そして漠然と何かに呼ばれていると感じており、彼の旅が進むにつれてその思いは強くなっていくような。

記憶を失っている件、呼ばれている件に関してニブい僕はスライのようにハロウネストの空気、あるいは汚染、の影響を受けているのだと思って深く考えませんでした。

しかしホロウナイトの精緻な世界において、そのようにだんだんと強くなる暗示が無意味であろうはずがありません。霧の峡谷の書庫にさしかかると、彼はハッキリとこの場所に呼ばれている、と確信します。

そうは言いつつ中に入るのを躊躇っているので先に入ります。追ってくる様子はありません。腑に落ちないままボス戦に突入。僕のあらゆる攻撃を寄せ付けない巨大クラゲ・ウームーのブヨブヨに苦戦していると空気を裂くように颯爽と現れる兄貴。これまでぼんやりとしか感じていなかった使命にいまや完全に覚醒し、持てる力が解放された真の姿が顕現したのだと感じさせられる瞬間です。

クイレルさん2

ここまで謎めいたセリフの積み重ねによる「溜め」が長かっただけに、一気に宇宙まで突き抜けるような爽快感と感動があります。

戦いぶりは強いを通り越してもはや美しく、観光客っぽく景色や施設を見たり温泉でくつろいでいた姿からは想像もできない華麗な動きで敵の弱点をさらけ出し、助けてくれます。この時のアクション、本当にかっこいいですよね。ビデオクリップを保存して何度もゆっくり見たり止めたりすると、その躍動感にシビれます。

しかも、かっこよく勝手に倒して去る(手柄ひとりじめ)わけではなく、協力プレイってところが、ゾクゾク、ワクワクのあまり手許も震えるほど。

手に手をとってボスを倒し、下へ下へと降りていくと、そこには大きなガラス管に入った見覚えのある姿が。封印を守るひとり、教師モノモンです。でもガラスは強くビクともしません。困っていると、再びクイレルさんが追ってきて、ついに思い出した全てを話してくれます。

モノモンの教え子あるいは助手であったらしい彼は、彼女が黒卵の封印のため夢の世界に入る際、その生身の体を守る結界を設置する手助けをした。当然信頼されていたし、巨大クラゲを処理する必要がある場合に備え、おそらく腕が立つのを見込まれたのもあるだろう。知恵者であったモノモンは王が約束する永遠の王国が破綻する可能性を予見しており、その時のために結界を解除するための道具を彼に託した。それが彼女のマスクだった。

そう、モノモンのマスクは、この世界ではすなわちモノモンの意志そのものに他なりません。仮面製作者の言っていたことを思い出すと、クイレルさんが体験した不思議な現象の説明がつきます。仮面をかぶることで、仮面の意志が仮面の下の意思を上書きしていく、ということですから。

でもなぜクイレルさんは黙々と使命を果たす、ある意味主人公のような存在とならず、自分の感情と失われた記憶に戸惑いながら導かれる者となったのでしょう。中途半端なんですよね。仮面をつけているのに…

あ、でもクイレルさんの顔は見えます。ミニ・モノモンには見えないし、なっていません。そうです、つまり、顔を覆う形でまともに着けず、粋な感じで額に上げていたために意思が完全に失われることがなかったのではないでしょうか。

そうだとすると、初登場からずっと、「この者は仮面の支配をそこそこ受けている」というヒントが出され続けていたってことですよね。うわー。いいな、こういう言葉じゃない伏線。仮面製作者の話を初めて聞いた時には主人公と仮面の関係ばかり考えていて気がつきませんでした。チクショー!やられたぜ!(嬉しい)

結界を解除することは彼女の死を意味するのでモノモンの仮面は失われ、クイレルさんは再び完全な自由意志を取り戻します。といっても「ヒャッホー!自由だぜ!」ではなく、失われた記憶は失われたまま、おそらく王国の断末魔にまつわる漠然とした悲しみの痕跡を感じているようです。

次に…最後に会うのは青の湖の湖畔です。涙の都の大きな窓から降りしきる雨を見ながら、いつか訪れたいと熱心に話してくれた水源そのものです。そこで彼は探していた平和を得た、と言います。この時、さりげなく「座る」というオプションが出ますよね。ただその場にチョンと座るだけなんですが、歌姫マリッサやメイトー先生の時のように、この「座る」という行為は主人公が共感のようなものを示すことができる数少ない方法の一つですから、この大事な場面で出たことは本当に意義深いと思います。多分最後のお別れになるんだな、と感じていましたから。

クイレルさんの言葉に対して一言も返さないことを「小気味いい」(英語ではI like that)と受け入れてくれるクイレルさんの隣に座ることで、伝わることがあるはずです。このように、突き放しているようで不意に温かくてハッとさせてくれるホロウナイトの世界は、本当にケチのつけどころがありません。

立ち去り難いけど、いつかはその場を去らなければなりません。一旦立ち去ったものの、ふと胸騒ぎがして踵を返してみると、そこにはクイレルさんの姿はもはやなく、跡には彼の釘が岸辺に突き立ててあります。

クイレルさーん!行かないで!

有終の美。見事な幕切れです。でも、でもですね。蛇足を承知で言わせていただくと、僕はこれで二度と会えないってことじゃないと思うんです。思いたいんです。だって、考えてみましょう。クイレルさんはどんな虫ですか?水棲昆虫だと思いませんか。

クイレルさん3

全てではありませんが、彼と再開する場所は水に関係する場所が多くないですか?ウヌの湖、温泉、そして涙の都では雨の出所をとても気にしていて、水源を見たいと強く希望していました。運命の書庫に着いた時でさえ、酸の湖の上に立派な建造物があることに注目しています。そして、極め付けはウームー戦での水を得たゲンゴロウのような流れるような動き。あの場所も水場でした。さらに、クラゲのモノモンの配下にあったという事実。

クイレルさん4

間違いありません。クイレルさんは水棲昆虫!足が長いからアメンボのイメージでしょうか。だから水に入ったのではなく、水に帰ったんです!きっとそうです。釘を置いたのは、使命が終わったから。平和な世界に釘は必要ないですからね。だって、クイレルさんも力を貸してくれたからこそ訪れた平和を、汚染が晴れた世界を、今後どうなっていくのか見届けてもらわなきゃ困りますよね。困ります。だから、きっとある日湖畔にいくと、晴れやかな顔でひょっこり顔を出してくれるんですよ。僕はそう信じてます。

クイレルさん5

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