僕とサブローちゃんが統計の本になりました!

ホロウナイト:マイラに何が起こったか(ネタバレ注意)

ゲームが始まってすぐ井戸から交差点に降り、右に進んでいくと鉱山入り口があって、入ると素朴な鼻歌が聞こえてきます。鉱山のはずれで、ひとりで掘っているマイラちゃんです。話しかけると掘る手を休め、こちらを向いて好きな歌について話してくれます。一緒に歌おうと誘ってもくれます。フレンドリーです。

ちょっと舌足らずな話し方が愛らしくて、時々立ち寄ると、訪問を喜んでくれます。その先の鉱山は1800ジオもする高級ランタンがないと進めないので、そこで引き返すのですが、マイラちゃんの歌が聴きたくて通いました。色調の暗いホロウナイト世界での癒し…そう思っていたんです。

それからしばらくして、異変に気がつきます。歌声が聞こえないんです。いなくなったのかと思うと、よく見ればいつもの場所にいます。でも様子が変です。呆然と突っ立っています。近くにいっても、こちらを向かないし、話してもくれません。首をかしげながらも、その時は他に片付けたい問題もあったので鉱山を後にしました。

それから緑の道→胞子の森→涙の都と夢中でまわり、ようやく買ったランタンを手に再び鉱山を訪れると…。ああ、カシッ、カシッと掘る音がします。よかった、あの時は疲れていただけなのかも…などと駆け寄ると、あれ?あれ?マイラちゃんが襲ってきます。そういえば相変わらす歌っていません。いつも機嫌よく歌いながらリッチになるために楽しく働いていたマイラちゃんに一体何が?それともマイラちゃんではないのでしょうか。

狩猟の書にその答えがありました。汚染に感染するとどうなるかの具体的な説明です。

[チャッカムシ]
”ハロウネストのムシたちは古代の病によってその形を歪められている。やつらはまず深い眠りに落ち(1)、精神が崩壊した状態で目覚める(2)。それから身体の変形が始まるのだ(3)。”

[オオイカリバエ]
“あの汚染は生物から生物へと感染する(4)。そして感染者に力と勇猛さを与えると同時に、その者の自由意志を奪うようだ(5)。〜以下略”

つまり、マイラちゃんは鉱山にいる他のムシたちよりひとり離れて作業していたために感染が遅れたのでしょう。でも、遅れても結局感染してしまい、それで久しぶりに訪れたら呆然と立ち尽くし(1: 深い眠りに落ち)、それから精神が崩壊した状態で目覚めて(2)自由意志を奪われて(5)採掘マシーンと化してしまった、ということのようです。

追記:呆然と立っているマイラちゃんに夢の釘を当ててみることを失念していました。彼女の夢を覗いてみたところ、上記(5)で具体的に彼女の頭に何が囁かれていたかがハッキリします。ゾッとしました。詳しくは別記事『マイラの心を壊すもの』をご覧ください。 

勇敢で力が強く、自分の意思を持たずに働く労働者や兵士は統治者にとっては都合がよかったことでしょう。それで汚染がどうしようもなく広がる前に手を打つことができなかったのかもしれません。昔の覚醒剤やロボトミー手術と似ていてゾッとしませんか。

汚染の震源地である黒卵から離れているので、まだ(3)の身体の変形は起きていません。でも、よく見ると目に汚染の象徴であるオレンジ色の光が宿っています。ということは、いずれマイラちゃんの体も…。そういえば、各地にいる敵のムシたち、いわゆる「雑魚」も、目がオレンジです。ということは、彼らもちょっと前まではマイラちゃんのように歌ったり話したりしながら陽気に暮らしていた普通のムシたちだったのかもしれません。邪魔だと思っていてごめんなさい…向かってくるから攻撃せざるを得ないけど辛すぎ…。

つるはしを振り上げて容赦無く斬りつけてくるマイラちゃんに夢の釘を当てると、

「すり…きれたガウンを着た…司祭を埋め…」

マイラちゃんが歌っていた歌の断片が残っています。しかも「思い出せない」と言っていた部分だったりして、汚染が心の病であると言われるように、脳に干渉があったことが知れます。これで違うムシが入れ替わっていて彼女はどこかで陽気に掘っているのではないかという一縷の望みも潰えました。なんと残酷な話でしょう。いずれマイラちゃんの心からも歌が消えて他のムシたちのように「殺す…狩る…」のような殺伐した思いに塗り替えられてしまうのでしょうか。

話をペラペラと語るのではなく、こうしてユーザーが自分で発見して察していくようになっているとジワジワと沁みるように見えてくる感じがたまりません。

追記:「思い出せない」と言っていた二番の歌詞は、緑の道に行く前にもう一度話しかけると正気なうちに「思い出した」と言って歌ってくれることに気づきました。

マイラに何が起こったか

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