僕とサブローちゃんが統計の本になりました!

確かに一度やめました[ホロウナイト漫画日記]

はい、確かにいちどやめました。

「二度とやんねー!」

と、捨て台詞も吐きました。認めましょう。でもさ、遠ざかっていると、カブトムシのじーちゃんのスタグ(馬車みたいな乗り物)に乗って頭がコクコク揺れてるの見たくなって…。ブランク(数日間)があるから、いっそ最初からやり直すことに…。

そしたら、だ。なんかラク!すげーラク!最初のボス楽勝!移動で前ほど死なない(でも死ぬ)!そう、ヘタクソなりに進歩していたのだ!

しかしその進歩がゆっくり過ぎた上、シナリオに沿って上がる難易度に追いついていなかったので気づかなかったのだろう。だが、実は上達していた。苦労は報われていた。

確かに一度辞めました・漫画

そうなると俄然楽しくなってくる。練習すれば報われると分かったから。うっかりクソゲーあるいはマゾゲーを掴んだかと思ったらまさかの良ゲー!テンション上がればパフォーマンスも上がる。ジャンプに失敗したら、文句を言うだけでなく(やっぱり言う)、なぜ失敗したか考える。別の方法を試す。だめだった。ではこれは?うまくいった!応用する。ボスに勝てない。なぜ勝てない?攻撃を食らいすぎ。どんな攻撃をしてくる?どう避ける?いつ攻撃できる?

確かに一度辞めました・イラスト1

人間の適応力は、すごい。プロのスポーツ競技を観ると同じ人間なのが信じられないくらいだが、ホロウナイトは、その果てしないラーニングカーブで凡人である自分自身の適応力に驚かせてくれる。自分ではどこが変化したのかわからなくても、なぜか以前苦手だった地形をスルリと通れたり、泣かされたボスをあっさり倒したりする。

なぜ、それが可能なのか。それは思うに操作性における自由度が高く、そのためユーザーに委ねられる攻略の幅が広いせいではないだろうか。トラップ回避、ボスの倒し方から雑魚の処理まで多くの場合において正解はひとつではなく、各自が得意な方法を探しあてることができる。攻略動画で他人のプレイを見ると、全く別のやり方をしていてビックリすることは珍しくない。

確かに一度辞めました・イラスト2

操作性の自由度とは、典型的にはジャンプ中に移動操作を受け付けることがひとつ。ジャンプ中のコントロールができないと、攻略は「この地点であっちに飛ぶ」というような平板なものになりがちだ。ホロウナイトでは、例えば下の足場からジャンプして、真上にある別の足場に登ることができる。また、押す長さによって高さを調整できる。ちょいと押せば軽く体が浮くだけ、長ーく押せば初期状態でもかなり高く跳べる。ジャンプと一口に行っても、どこから、どこにむかって、どの程度、どういうルートで跳ぶかコントロールできる。

それに加えて、話が進むにつれてダッシュ、二段跳びなど新しいことができるようになり、自由度がますます上がっていく。そしてそれはつまり、そうした技を駆使して攻略する敵やトラップが登場するということでもある。チャレンジが続き、ずっと楽しい。

コマンド式のRPGによくあるクリア後の「強くてニューゲーム」モードは、ホロウナイトには無いし、そもそも必要ない(死んだら二度と復活しないマゾモードは解禁される)。自キャラではなく、ユーザー自身がレベルアップしているため、普通に次の周を始めればそれが「慣れててニューゲーム」に、なっているから。さらに次の周回では「もっと慣れててニューゲーム」になっていて、前回とは違った楽しさがある。

前述したように、現在おそらく8周目だが、それでも前回より改善しているし、まだまだ課題があり、当分ぐるぐる遊べそうだ。ヘタクソだから全部伸びしろ、みたいな‥

難しければいい、というのでは当然ない。1面もクリアできない真性のクソゲーを数えきれないほど知っている。そういうゲームは、頑張っても頑張っても変化しない。ホロウナイトは、苦しいんだけど、何度かやっていると、なぜか自分自身が成長していく。それがすごい。数あるゲームの中で「自分スゲー!」「よく頑張った!」と、ここまで思わせてくれる作品を他に知らない。

「難しすぎる」という声も聞かれるが、自分も一度はそこを通った者として、一人でも多くの人が、愛情をこめて丁寧に作られたこのゲームを通して努力が報われる喜びを味わって、「自分スゲー!」と雄叫びをあげてくれるよう願ってやまない。

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