ヤギシミュレーター。しかし、すぐ見えるところに「全然シミュレートしてません」とのお断りが。そりゃ、車に突撃して跳ね飛ばしたり、宇宙までジャンプしていったりするヤギが忠実なシミュレーションの結果だったら怖すぎる。そう、タイトルからして既に壮大なギャグが始まっているのだ。
開発者自ら「愛すべきクソゲー」と自嘲気味に称しているハチャメチャぶりだが、クソゲーは事故で発生するとの信念を持つ自分としては、これは「愛すべきおバカゲー」であって、クソゲーでは、決してない。なぜなら、楽しいから。つい噴き出してしまうから。
コンテナの中でウロウロしているだけでジャンプ記録を更新し続けたり、有り得ないところをすり抜けたりと、各種のバグがあるが、「進行に支障のない、面白いバグは放置してある」ので、問題ない、どころか、そういうところを楽しむゲームなのであった。
だが、各種のバグを検討して、現象として笑えるものは残し、フリーズなど深刻なバグは修正してあるということは、開発側がやり込んだということでもある。そこには愛があり、愛とクソゲーとは互いに矛盾するものであると思う。
何をしても咎められないシュールな世界で自由奔放に振る舞うという、他では得られない体験を提供しているだけでも、その存在に意義がある。現に、ずっとやっていると頭がおかしくなりそうではあっても、時々ふとヤギ無双したくなる。帰りたくなる場所に、クソゲーは決してならないだろう。どMでもない限り。
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