そうです、我らが働き蜂さんも、蜜を前にした時の集中力は素晴らしいですが、割といつも殿下と一緒に遊んでいますよね。これは漫画だからというわけではなく、それでも充分蜜蜂さんの暮らしは成り立つという写実性だったのです!
蜜蜂さんたちは必要がなければパフォーマンスのために働いてみせたり、仲間が残業しているからといって意味もなく仕事を続けたりしないのですね。だからそのような人をさして「働き蜂」と呼ぶのは見当違いな上、メリハリある仕事をする働き蜂さんに失礼です。
特にニホンミツバチさんは越冬できる蜜が貯まったな、と判断すると必要以上に蜜を集めたりはしないそうです。せっかく貯めた蜜を取り上げて予定外の労働に送り出す人間の元にあっては、しかし、予定の軌道を回復するため働きづめになるかもしれません。でもそれをさして「働き蜂のように働く」と形容するのは強制収容所で働かされている人をワーカホリックと呼ぶほどおかしなことだと思いませんか?
円グラフにしたのはMartin Lindauerによる、176時間にわたる有名な観察記録ですが、もちろんこれは越冬期ではありません。特異な環境による特異な結果でもなく、内外の研究者によって同様の研究がなされ、同じような結果が導き出されています。