毒の花粉のことも喉元過ぎて忘れているわけではありません。地道に新居を探しているのでありました。山の向こうも私から見れば充分田舎ですが、ミツバチさんにとっては、今いるところより「建物いっぱい」らしいです。
新居の下見は、全ての群れが行うわけではありませんが、明らかに行っていることがあるそうです。ニホンミツバチの方が下見してあるらしい引っ越し/巣別れの目撃件数が多いように思うのは身軽に引っ越しするから? 「家畜」ではなく家族として愛されていることが多いのでよく観察されているからかもしれません。
土地の開発で自然な木のウロなどの営巣場所が奪われる一方、人家の屋根裏、お墓などの人造物を利用することでミツバチさんは都会でも逞しく生きています。地下に巣を作るオオスズメバチが追随できないし、人里では見つかると駆除されるので天敵対策としてはいい面もあるようです。同様に人造物を利用できるキイロスズメバチも住宅街に進出していますが、脅威の大きさとしてはオオスズメバチの比ではありませんから。それにキイロスズメバチも見つかれば駆除対象です。まあ、ミツバチさんも駆除されてしまうことがありますが…。
ミツバチさんは駆除依頼を受けるお役所窓口に「引き取りたい」という人が声かけをお願いしている場合があるので、「駆除→殺さず引き取り」となることもあるのが救いです。
働き蜂さんが思い出しそうなイヤなこととは多分『第80話・神隠し』のことでしょう。